スーパーボウル56のオッズ、大本命、対抗馬、そして穴馬:チーフスとバッカニアーズが2021年NFLシーズンも最高人気

Jacob Camenker

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2020年NFLシーズンが開幕する前、スーパーボウル優勝の最有力候補はカンザスシティ・チーフスだった。あれから1年が経ったが、アンディ・リードが率いるこのチームはまたしても最有力候補だと見られている。

チーフスはスーパーボウル55でタンパベイ・バッカニアーズに敗れた。その後のオフシーズンでチーフスはかなりの戦力補強に成功している。そして何よりも、チーフスはパトリック・マホームズを擁している。ブックメーカーたちはいつもNFLでもトップクラスのクォーターバックを信用するものだ。それこそがトム・ブレイディを擁するバッカニアーズがチーフスに次いで高い評価を得ている理由でもある。

両チーム以外にも、トップ10にはお馴染みのチームが名を連ねている。その中にはブレイディを獲得した昨シーズンのバッカニアーズのような超大型補強を行ったチームは見当たらない。昨年の予想トップ13位にあったチームでプレーオフ進出を逃したのはサンフランシスコ・49ersとダラス・カウボーイズだけだ。どちらも2020年シーズンで多くの故障者を出したことが共通している。

スーパーボウル56は2022年2月13日に行われる。現時点での優勝チーム予想オッズは以下の通りだ。

スーパーボウル56優勝チーム予想オッズ

現時点で、スーパーボウルを制する可能性がもっとも高いと見られているのはチーフス(+500)だ。チーフスは直近2回のスーパーボウルに連続して進出し、1勝1敗の戦績だ。昨シーズンはバッカニアーズに敗れた。2021年オフシーズンでは攻撃ライン陣を強化した。2021年にバッカニアーズと再戦するとすれば、パス・ラッシュのプレッシャーにより良く対応できるはずだ。

バッカニアーズ(+650)がNFCカンファレンスを制することは固いと見られる。なぜなら、スーパーボウルを制したチームの全先発メンバーが今シーズンもチームに残っているからだ。44歳になるブレイディがシーズンを通して好調を維持できる限り、このチームがプレーオフを再び勝ち上がる可能性は高い。

バッファロー・ビルズ(+1200)、グリーンベイ・パッカーズ(+1200)、ボルティモア・レイブンズ(+1400)、そして49ers(+1400)がトップ6の残りを構成する。このうち昨シーズンのプレーオフ進出を逃したのは49ersだけだ。スーパーボウル優勝予想の最低オッズはヒューストン・テキサンズ(+25000)だ。デショーン・ワトソンを巡る状況が不透明なままだからだと思われる。

FanDuel Sportsbook社によるオッズの全リスト:

チーム      スーパーボウル優勝予想オッズ
カンザスシティ・チーフス +500
タンパベイ・バッカニアーズ +650
バッファロー・ビルズ +1200
グリーンベイ・パッカーズ +1200
ボルティモア・レイブンズ +1400
サンフランシスコ・49ers +1400
ロサンゼルス・ラムズ +1500
クリーブランド・ブラウンズ +1600
シアトル・シーホークス +2000
テネシー・タイタンズ +2500
ニューオーリンズ・セインツ +3000
ダラス・カウボーイズ +3000
インディアナポリス・コルツ +3000
マイアミ・ドルフィンズ +3200
ロサンゼルス・チャージャーズ +3300
ニューイングランド・ペイトリオッツ +3700
ミネソタ・バイキングス +4000
ミネソタ・バイキングス +4100
ピッツバーグ・スティーラーズ +4400
アリゾナ・カーディナルス +4800
シカゴ・ベアーズ +5000
ワシントン・フットボール・チーム +5000
アトランタ・ファルコンズ +6000
ニューヨーク・ジャイアンツ +7000
フィラデルフィア・イーグルス +7500
ラスベガス・レイダース +7500
カロライナ・パンサーズ +9000
ニューヨーク・ジェッツ +12000
シンシナティ・ベンガルズ +12000
ジャクソンビル・ジャガーズ +12000
デトロイト・ライオンズ +18000
ヒューストン・テキサンズ +25000

続いて、我々がスーパーボウル56優勝を予想する注目の5チームを紹介しよう。

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カンザスシティ・チーフス

+500

チーフスは昨年スーパーボウルまで駒を進めたが、攻撃ライン陣に故障者を多く抱えていた。その結果として、マホームズはバッカニアーズの強力なパス・ラッシュに絶え間なくさらされることになった。

チーフスはその反省から、出来る限りの補強を行った。

補強計画は上手く進み、チーフスはまったく新しい攻撃ライン陣で2021年シーズンを迎える。オーランド・ブラウン・ジュニアをトレードで獲得し、ジョー・トゥニーとも契約した。ブラウンはタックル、トゥニーはガードを担う。クリード・ハンフリーとトレイ・スミスがドラフト入団し、ガードのセンターと右側でリーダ役となる。さらに2020年ドラフト3巡目指名で入団しながら新型コロナウイルス感染拡大を理由に2020年シーズンを自らの意志で欠場したルーカス・ニアンが右側のタックルに入る。

ここまでのプレシーズンマッチでは、この新しい布陣は非常によく機能している。後ろを固めるマイク・レマーズ、カイル・ロング、オースティン・ブライス、そしてローレント・デュバニーターディフらの調子も良好だ。マホームズははるかに優れたブロックに守られることになる。従って、チーフスの攻撃力はさらに強力になるだろう。防御面でもジャラン・リードが加わったことは大きい。

大本命に賭けることは、面白みには欠ける。しかし、チーフスは紛れもなくAFCカンファレンスで最高のチームだ。追いつける可能性がありそうなチームは2つしかない。マホームズに賭けることは5倍の予想がつく手堅い選択だと言える。

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タンパベイ・バッカニアーズ

+650

バッカニアーズもオッズが12倍以上でスーパーボウルを制したもう1つのチームだ。このチームには好材料が多いが、その中でもっとも優れているのはその連続性である。

スーパーボウルで先発出場した22人の選手が1人も欠けることなく、チームに戻ってくる。それどころか、昨シーズンで10%以上の出場率があった選手で他チームに移籍したのは攻撃ラインマンのジョー・ヘイグ1人だけだ。

スーパーボウル7回制覇のトム・ブレイディが牽引するバッカニアーズはNFCカンファレンスで再びトップを狙える位置にある。同地区内の他チームが弱体化していることも好条件の1つだ。セインツはサラリーキャップの問題で主力選手を放出に追い込まれた。そのためバッカニアーズが昨年は逃した地区優勝も成し遂げるチャンスもある。

バッカニアーズはさらにジョバニ・バーナードを攻撃陣に加えた。さほど大きな補強には見えないが、昨シーズンはランニングバックが手薄だった。バーナードはその穴を埋めることになるだろう。元々、ブレイディは後方からランニングバックにパスを投げることを好んできた。

バッカニアーズは完璧なチームであり、弱点が見当たらない。あえてこのチームに賭けない理由を探すとすれば、2004年と2005年のペイトリオッツ以来、どのチームもスーパーボウル連覇を成し遂げていないという事実だ。

それは確かに懸念材料にはなる。しかし、そのペイトリオッツのスーパーボウル連覇でクォーターバックを務めたのは他ならないブレイディなのだ。もしそれをふたたび実現できる方法を知っている人間がいるとしたら、それはブレイディ以外にはいない。

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ロサンゼルス・ラムズ

+1500

ラムズはプレーオフを負傷したクォーターバックを抱えて乗り切ろうとした。故障で欠場したジョン・ウルフォードの代わりに出場したジャレッド・ゴフもまた負傷していたのだ。マシュー・スタッフォードが司令塔となる今シーズン、チームはどう変わるだろうか。

スタッフォードはNFLでもっとも過小評価されてきたクォーターバックの1人だ。2011年以来、チーム成績が振るわないライオンズに在籍しながら、スタッフォードは平均して1シーズン16試合で4,453ヤード、28タッチダウン、13インターセプトの成績を残している。今シーズンからはショーン・マクベイが率いるラムズに移籍し、クーパークップやロバート・ウッズらのような優れたレシーバーたちとタッグを組むことになる。

防御面に目を向けると、ラムズにはアーロン・ドナルドがいる。ドナルドは過去4年間で3回NFL最優秀守備選手賞に選出された選手だ。ジェイレン・ラムジー、ダリアス・ウィリアムズらの2列目も固い防御力を誇る。トロイ・ヒルとジョン・ジョンソンが抜けた穴は大きいが、それを補って余りあるほど、ラムズの選手層は厚い。

昨年まで防御コーディネーターだったブランドン・ステーリーもチームを去ったが、スタッフォードがチームをまとめることができれば、今シーズンのラムズは期待できる。スタッフォード以外にも、新たな防御コーディネーターにラヒーム・モリスを獲得したことは、ラムズがオフシーズンに行った補強の目玉と言えるかもしれない。

ラムズは2019年に惜しくもスーパーボウル制覇を逃した。厳しい地区に所属しているが、ラムズはそれでも15倍の予想がつく有力候補の1つだ。

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クリーブランド・ブラウンズ

+1600

ブラウンズはAFCカンファレンスを制することができるか? チーフスやビルズの上を行くことはかなり難しいが、ブラウンズにはそれを可能にするだけの才能ある選手層を擁している。特に攻撃陣は強力だ。

ブラウンズの攻撃ライン陣はNFLでもトップクラスであるし、昨年の先発メンバー5人全員が今シーズンもチームに残っている。彼らに故障者が出ない限り、ベイカー・メイフィールドは守られた位置からパスを投げることができる。レシーバーにはオデル・ベッカム・ジュニア、ジャービス・ランドリー、オースティン・フーパー、ハリソン・ブライアントと駒が揃っている。さらにニック・チャブとカリーム・ハントの2人のランニングバックもNFLでトップクラスだ。

ブラウンズの防御陣も悪くはない。1列目にジャデベオン・クラウニー、マリク・ジャクソン、アンソニー・ウォーカーといった何人かのベテラン選手を加えたが、2列目にはさらに大きな補強を行った。ブラウンズにはすでにデンゼル・ウォードという強力なコーナーバックがいるが、グレッグ・ニューサムをドラフト1巡目で獲得し、さらにトロイ・ヒルとジョン・ジョンソンの2人をラムズからトレードで獲得した。これによって、ラムズの防御力はさらに高まった。

ブラウンズの弱点の1つはラインバッカ―である。防御コーディネーターのジョー・ウッズがこのポジションの問題を解決することができれば、ブラウンズの先発ラインアップは全方面的にNFLでもっとも強力なものになる。メイフィールドにはこれまで以上の活躍が必要とされるが、それでもブラウンズがスーパーボウルを制するオッズは16倍と悪くはない。

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アリゾナ・カーディナルス

+4800

もしスーパーボウルに穴馬を探しているなら、カーディナルスは魅力ある選択肢だ。ブックメーカーの評価はさほど高くはない。スーパーボウル優勝予想オッズでは20位となっているが、このチームにはそれ以上の好材料がある。

カーディナルスは昨シーズン惜しいところでプレーオフ進出を逃した。だが、カイラー・マーレイが11週目から肩を負傷していたのだ。マーレイの出場時間は少し制限されたが、それでも1試合も全休することはなかった。マーレイが2021年シーズンを故障なしで乗り切れるのなら、カーディナルスがプレーオフに進出する可能性は大きい。

カーディナルスはこのオフシーズンに本気の補強を行い、何人かのベテラン選手がチームに加わった。プロボウル3回選出のロドニー・ハドソンとNFL最優秀守備選手3回受賞のJ・J・ワットがチャンドラー・ジョーンズの横に入る。ザベン・コリンズをドラフトで獲得し、マルコム・バトラーと契約したことで、カーディナルスの防御力は格段に上がった。

カーディナルスの攻撃力は昨シーズンから既に良かった。だからこそ防御陣が補強されたことの意味は大きい。1列目は強力であるし、2列目も新戦力の加入で大きく補強された。相手チームのクォーターバックはパス・ラッシュにさらされて、パスを投げるまでの時間が少なくなるだろう。

カーディナルスにはいくつかのハードルがある。NFC西地区に所属していることもその1つだ。同地区のラムズ、49ers、シーホークスはどこもプレーオフ進出の有力候補だ。それはつまり、この地区で良い成績を挙げてきたという事実は、すなわちプレーオフ進出を狙うだけの実力があるということでもある。マーレイが故障しなければ、カーディナルスにはスーパーボウルを制するだけの攻撃力がある。

(翻訳:角谷剛)

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Jacob Camenker

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Jacob Camenker first joined The Sporting News as a fantasy football intern in 2018 after his graduation from UMass. He became a full-time employee with TSN in 2021 and now serves as a senior content producer with a particular focus on the NFL. Jacob worked at NBC Sports Boston as a content producer from 2019 to 2021. He is an avid fan of the NFL Draft and ranked 10th in FantasyPros’ Mock Draft Accuracy metric in both 2021 and 2022.