カレッジフットボール:最もプレーがしにくいホームスタジアムは?

Bill Bender

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カレッジフットボールで最もプレーするのが困難な会場はどこか?

これは含みのある質問だ。大きさで成功しているスタジアムもある。威嚇的な雰囲気を持つスタジアムもあれば、常識に逆らうスタジアムもある。結局、行き着くところは単に数字だけではないということだ。

 “困難な”の定義については誰もが異なる考えがあることを踏まえ、私たちはいくつかのカテゴリーを立て、その中で最もプレーするのが困難だったのはどこの会場かを検討してみた。

※データの数字はすべて6月21日現在。

去年は:ジョーダン・ヘア・スタジアム(オーバーン大のホーム)

昨シーズン、ディビジョンIの17校がホーム無敗で終えたが、ホーム最強はオーバーンだったと言っていいだろう。オーバーンのホーム7勝0敗という成績は、ランキング24位のミシシッピ州立大に49対10で勝利し、11月には2位のジョージア大と1位のアラバマ大というトップファイブ校相手に勝利したことによってさらに際立ったものになっている。

過去4年では:メモリアル・スタジアム(クレムゾン大のホーム)

この期間であれば、ホーム27勝1敗という、クレムソン大と同じ成績のアラバマ大ホームを選出する考えもあった。しかし、クレムソンの1敗が、2016年にピッツバーグ戦で43対42と1点差だったのに対し、アラバマの1敗は、ミシシッピ戦でひどいプレーの果てに6点差の敗北を喫したものだった。なんにせよ、メモリアル・スタジアムはカレッジフットボールで最も威圧的な会場の一つである。“デスバレー”(編注:メモリアル・スタジアムの俗称)から無事に抜け出すことは困難なのだ。

2010年以降:ブライアント−デニー・スタジアム(アラバマ大)

これは誰も驚かないだろう。ニック・セイバン率いる強豪は、ホームで52勝4敗と、全米トップの勝率92.8パーセントを記録している。その4敗を喫した相手は、オーバーン(2010年)、ルイジアナ州立(2011年)、テキサス農工(2012年)、ミシシッピ(2015年)で、近年のカレッジフットボール史上、最もエキサイティングな試合だった。しかも、それらのチームのうち二つは、ハイズマントロフィー受賞者のクォーターバックを擁していたことも忘れてはならない。アラバマとはどんな会場であっても戦いたくない。

過去15年間:オハイオ・スタジアム(オハイオ州立大)

“ホース・シュー(馬の蹄鉄)”の愛称で親しまれているオハイオ・スタジアムは威圧的で、最高のプレーをすればようやく勝ち目が見えてくる場所だ。それが、昨シーズンこの場所でベイカー・メイフィールドの才能が発揮された理由だ。オハイオ州立大学バックアイズは、2003年からホームで97勝10敗と、パワー5カンファレンスに所属しているチームではトップランクとなる。この期間にジム・トレッセル監督からアーバン・マイヤー監督への引き継ぎがうまくいき、マイヤー監督は6シーズンの間、ホームで3試合しか負けていない。

負け犬:ビーバー・スタジアム(ペンシルベニア州立大)

ペンシルベニア州立大ニタニー・ライオンズの過去3シーズンのホームでの成績は20勝1敗。1敗は2015年のミシガン大学との試合だ。ペンシルベニア州立は18勝0敗と過去3シーズンは大本命だったが、2016年のオハイオ州立大学との敗戦は加味されていない。9月29日に予定されているオハイオ州立大学バックアイズの“ホワイト・アウト(ホーム戦で、観客席がチームカラーの白一色に染まる現象)”に注目だ。

優勝候補:キニック・スタジアム(アイオワ大)

過去2シーズンは確かに優勝候補だった。アイオワ大は2勝2敗だったが、この2勝によって2位のミシガン州立大と6位のオハイオ州立大を2シーズン連続でプレイオフから敗退させた。強豪のペンシルベニア州立大も最後の最後に決めたタッチダウンパスでどうにか逃げ切ったくらいだ。近くの病院へ送り込まれる学生たちを見送ることが新しい習慣になっており、それがより一層、人の心を引き付けるのかもしれない。

グループ・オブ5カンファレンス:アルバートソンズ・スタジアム(ボイシ州立大)

たとえスタジアムのどこでボールを打ち上げたとしても、青い芝生でお馴染みのアルバートソンズ・スタジアムは対戦相手にとっては厳しいスタジアムだ。収容人数はわずか4万席。ボイシ州立大ブロンコスは2003年から通算で90勝6敗を記録しており、3敗は直近3シーズンによるものだ。今後の目標はサンディエゴ州立、アパラチアン州立やトレドなど他のグループ・オフ5のチームより上位につくことだ。

ナイトゲームに強い:タイガー・スタジアム(ルイジアナ州立大)

ルイジアナ州立大タイガースが、ホームでのナイトゲームで過去4シーズン通算5敗を記録してからは、この評判は失われつつある。しかし5敗のうち、2敗は強豪アラバマ州立大学との対戦で、依然スタジアムのあるバトン・ルージュは他の追随を許さない。場内がサードダウンの興奮で揺れている限りは、ナイトゲームが強いという評判はそう簡単には失わないだろう。ホームで予定されているジョージア大、ミシシッピ大との対戦では、ジョー・バロウが先発出場を果たすかもしれない。

収容人数8〜10万人:キャンプ・ランダル・スタジアム(ウィスコンシン大)

キャンプ・ランダル・スタジアムの収容人数はわずか8万席だが、マディソンという騒がしい町では、試合開始早々に観客は大はしゃぎだ。ウィスコンシン大バジャーズはホームでは強い。過去4シーズンのホーム戦の成績は24勝3敗。彼らより良い成績を残しているのは、アラバマ大クリムゾンタイド、オハイオ州立大バックアイズとクレムソン大タイガースの3チームだけだ。

収容人数8万人以下:ハスキー・スタジアム(ワシントン大)

過去2シーズン、ワシントン大はホームで13勝1敗の成績を残し、1試合で平均28.4得点を挙げている。これはドン・ジェームスの全盛期を思い出させる成績だ。クリス・ピーターソン監督によってチームは失っていた信頼を取り戻すことができ、対戦相手も不快に感じるくらいだ。今後もそれが続くことを期待する。

カンファレンスゲーム:ザ・ゲイロード・ファミリー・オクラホマ・メモリアル・スタジアム(オクラホマ大)

過去3シーズン、オクラホマ大スーナーズはFBS(NCAAディビジョン1の最上位リーグ)で最高記録を残しており、それはホームでのビッグ12カンファレンスの1敗も含まれている。去年、アイオワ州立大との対戦で敗れたときには驚いたが、スーナーズはホームではしっかりと結果を残している。

西海岸にあるスタジアム:ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム(南カリフォルニア大)

過去2シーズン、ホーム試合で負け越していないのは3チームのみ。アラバマ州立大とペンシルベニア州立大については先ほど触れたが、もう一つのチームは南カリフォルニア大だ。パシフィック12カンファレンスでの成績は3勝0敗。今シーズンはクレイ・ヘルトン監督がチームを率いて、ノートルダム大とワシントン州立大との戦いに挑む。

原文:College football's toughest places to play, from Death Valley to Husky Stadium
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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Bill Bender

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Bill Bender graduated from Ohio University in 2002 and started at The Sporting News as a fantasy football writer in 2007. He has covered the College Football Playoff, NBA Finals and World Series for SN. Bender enjoys story-telling, awesomely-bad 80s movies and coaching youth sports.