【3点解説】2018年、福岡ソフトバンクホークス

Satoshi Katsuta

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昨シーズン、2年ぶりに日本一となった福岡ソフトバンクホークスは、このシーズンオフに大きな戦力補強を行うことなく、新しいシーズンを迎えることとなった。ドラフトを除くと新外国人選手のジュリスベル・グラシアルを獲得したのみだ。それでも前評判は高く、今シーズンも優勝候補筆頭となっている。そんなソフトバンクの注目ポイントを3つ取り上げてみたい。

★ポイント1:捕手の起用法はどうなる?

昨シーズンは甲斐拓也が規定打席に到達しなかったものの、自己最多となる103試合に出場し投手陣を牽引。ベストナイン、ゴールデングラブ賞も受賞した。

そのタイトルを受賞した甲斐でも固定されていなかったように、近年のソフトバンクは捕手を併用しており、確固たる正捕手を立てることなく戦ってきた。しかし、今シーズンは少し事情が違う。

オフに鶴岡慎也がFA権を行使し北海道日本ハムファイターズへ、山下斐紹がトレードされ東北楽天ゴールデンイーグルスへとそれぞれ移籍。当初の構想では高谷裕亮と甲斐を併用し、三番手捕手として栗原陵矢、九鬼隆平を育てるはずだった。しかし、春季キャンプに入ってから高谷、栗原が相次いで故障してしまう。

高谷は前半戦で戻ってくる見通しだが、序盤戦は一軍出場経験のある捕手が甲斐しかいない緊急事態だ。一方で九鬼、谷川原健太、張本優大、堀内汰門(育成)、樋越優一(育成)らの若手にとってはまたとないチャンスとなる。まずは一軍昇格を果たし、控え捕手から正捕手の座を狙いたい。

工藤公康監督は若手捕手陣から一軍に誰を呼ぶのだろうか。その起用法に注目が集まる。

★ポイント2:三塁の世代交代を進めることができるか

内川聖一、本多雄一、松田宣浩、今宮健太と近年のソフトバンクを引っ張ってきた内野陣。そのなかで今シーズン36歳となる内川、1歳年下で35歳となる松田のふたりは世代交代を考えていかねばならない年齢にさしかかってきた。

内川のほうは昨シーズンも故障で離脱していたこと、また、一塁という比較的外国人選手の補強がしやすいポジションということで優先度は低くなりそうだ。やはり心配なのは三塁の松田の後継者だろう。3年連続全試合に出場、5年連続ゴールデングラブ賞受賞とチームの中心的存在だったこともあり、現時点の代役は不在となっている。

昨シーズンの二軍を見ると茶谷健太(34試合)、川瀬晃(31試合)、曽根海成、高田知季(ともに19試合)らが三塁を守っているが、各選手ともに一軍実績はほとんどない。高田が21試合(内三塁は1試合)に出場しているのが最多だ。

二軍での起用法を見ると今シーズンが高卒3年目となる茶谷、川瀬に期待されていることが分かる。松田の後継者として若手ふたりが、一軍に抜擢されることはあるのだろうか。この先も連覇を目指すために、世代交代は避けて通ることができない問題である。

★ポイント3:名球会入り目前のサファテ

2018年シーズン、プロ野球記録となるシーズン54セーブをマークしたデニス・サファテ。これで通算229セーブとなっており、今シーズンは名球会入り条件のひとつでもある日米通算250セーブまであと21セーブに迫った。今シーズンも守護神としての起用が前提となっており、故障がなければ記録達成も時間の問題だろう。

ここまで250セーブを達成し、名球会入りを果たした選手は岩瀬仁紀(中日)、佐々木主浩(元・横浜)、高津臣吾(元・ヤクルト)の3人のみ。サファテは史上4人目、また初の外国人選手としての250セーブ達成が期待される。

※数字は2018年3月22日終了時点

Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。