ベテランが不調のソフトバンク内野陣。 世代交代が復活のカギを握る?【3点解説】

Satoshi Katsuta

ベテランが不調のソフトバンク内野陣。 世代交代が復活のカギを握る?【3点解説】 image

▶プロ野球を観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

昨年王者の福岡ソフトバンクホークスは、過去5年で3度日本一に輝いているが、今シーズンはここまで4位と例年通りの戦いができていない。その要因のひとつが主力の高齢化だ。内川聖一ら黄金期を支えてきたメンバーが調子を落とす中、若手がベテランをサポートできるか。ソフトバンクの世代交代について解説する。

★ポイント1:高齢化が進む内野陣。20代の台頭はあるか

特にソフトバンクの中でも平均年齢が高いのが内野陣だ。内川聖一と松田宣浩はここまで打率が2割台前半に落ち込んでいるが、その不調には年齢的な要因も少なからずあるだろう。優勝を目指すためにはベテランの存在は必要不可欠だが、彼らをサポートできる若手の台頭も欲しいところだ。

【ソフトバンク主な内野陣の年齢】

内川聖一(36歳)
松田宣浩(35歳)
川島慶三(35歳)
本多雄一(34歳)
明石健志(32歳)
高田知季(28歳)
今宮健太(27歳)
西田哲朗(27歳)
牧原大成(26歳)
川瀬晃(20歳)
※2018年の満年齢

★ポイント2:各ポジションで多くの若手にチャンスが与えられる

こうした状況を受けてか、工藤監督は頻繁に20代の選手にチャンスを与えている。特にその傾向が顕著なのが三塁手だ。昨シーズンは松田が全試合にスタメン出場し、途中交代もほとんどなかった。しかし、今シーズンは打撃不振でスタメンを外れる日もあり、途中交代も増えた。また、二塁手でも多くの若手が起用されている。昨シーズンは年間を通じて7人が守備についたが、今シーズンはすでに9人が起用されており、全員が2試合以上のチャンスを与えられている。

20代の今宮がレギュラーを務める遊撃手も例外ではない。今季、ショートには高田(18試合)、西田(13試合)、川瀬(7試合)、川島(1試合)、牧原(1試合)と合計6人が起用された。今宮の負傷も要因のひとつではあるが、2012年に彼がレギュラーとなってから最多の人数が起用されたことを考えると、世代交代を図る首脳陣の意図がうかがえる。

★ポイント3:二塁手は牧原が台頭。他のポジションもこれに続けるか

このように、内野陣に多くの選手を起用しているソフトバンクだが、裏を返すと突き抜けた成績を残し、レギュラーに定着する若手がいないということでもある。そのなかで7月に入り、ポジションを奪いつつあるのが牧原だ。7月8日に今シーズン初の一軍昇格を果たすと、ここまで全試合に二塁手としてスタメン出場を果たし、打率.400と好成績を残している。

後半戦の第1試合となった7月16日の埼玉西武ライオンズ戦では、プロ初本塁打を含む3安打を放つ活躍を見せる。また、その翌日にもマルチ安打を記録し2日連続でお立ち台に呼ばれ、工藤公康監督をはじめ首脳陣に大きなアピールをおこなった。

牧原は残りのシーズンで結果を残せば、レギュラー定着も夢ではないだろう。また、今シーズン26歳と牧原はまだ若い。結果を残し続ければ、あと数年は安泰だろう。高齢化が進む内野陣だが、まずは二塁手から世代交代完了となりそうだ。他のポジションでも牧原のように若手の芽が出るかどうかが、ホークス復権のカギを握っている。

※数字は2018年7月22日終了時点

Satoshi Katsuta

Satoshi Katsuta Photo

かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。