【3点解説】楽天梨田監督が辞任! 近年における代行監督の成績は?

Satoshi Katsuta

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東北楽天ゴールデンイーグルスの梨田昌孝監督が成績不振の責任を取る形で辞任した。辞任となった6月16日時点で楽天は21勝41敗1分(勝率.339)の成績でパシーフィック・リーグ最下位となっており、致し方ないといったところだろうか。後任として監督代行を務めるのは一軍ヘッドコーチを務めていた平石洋介だ。

★ポイント1:成績不振で楽天・梨田監督が辞任! 後任は平石ヘッドコーチ

平石監督代行は「松坂世代」のPL学園高主将として、伝説となっている夏の甲子園延長17回の死闘にも出場した。その後、PL学園高から同志社大、トヨタ自動車を経て2004年ドラフト7巡目で創設間もない楽天へと入団する。選手としては一軍通算37安打と大きな実績の残すことはできなかった。しかし信頼は厚く、2011年に現役を引退後、コーチとしてここまでチームに携わってきた。

38歳という若さに加え、チーム創設時から携わってきた「生え抜き」という強みを生かし、少しでも上を目指したいところだ。

★ポイント2:近年の監督代行では小川ヤクルトが躍進

今シーズンの楽天のようにシーズン途中に監督が交代することは珍しくない。近年では2016年に中日ドラゴンズが谷繁元信監督から森繁和監督代行へとバトンタッチしている。2010年以降で見ると5例の交代劇があり、今回が6例目だ。

監督交代時の成績を見ると当然ではあるが、勝率5割に届いているチームはない。しかし、その後の成績を見ると森監督代行をのぞき、勝率はアップしている。なかでも小川淳司監督代行(現・ヤクルト監督)はチームの立て直しに成功し、最終的には勝率5割を超え、リーグ4位に食い込んだ。就任時にあった「19」の借金をすべて返済し、貯金を「4」つくる大躍進を遂げたのである。

平石監督代行となった時点での借金は「20」となっており、けっして完済は不可能じゃないといえるだろう。

【2010年以降の監督代行成績】

年度 チーム 監督 交代時成績 代行 交代後成績
2010 ヤクルト 高田繁 13勝32敗1分(.289) 小川淳司 59勝36敗3分(.621)
2012 オリックス 岡田彰布 50勝75敗10分(.400) 森脇浩司 7勝2敗(.778)
2014 西武 伊原春樹 20勝33敗(.377) 田辺徳雄 43勝44敗4分(.494)
2015 オリックス 森脇浩司 19勝34敗1分(.358) 福良淳一 42勝46敗2分(.477)
2016 中日 谷繁元信 43勝58敗3分(.426) 森繁和 15勝24敗(.385)
2018 楽天 梨田昌孝 21勝41敗1分(.339) 平石洋介 ???

★ポイント3:翌シーズン正式に監督就任となるか?

2010年以降は監督代行となった翌シーズンに全員が正式な監督へと就任している。平石監督代行も同じように来シーズン監督代行から監督へと昇格するのだろうか。

今シーズンの最年少監督は読売ジャイアンツの高橋由伸監督となっており、43歳だ。2016年の就任時は41歳だった。来シーズン39歳となる平石監督代行が正式に監督となれば最年少となるのは間違いないだろう。

選手兼任をのぞき30代から指揮を執った監督といえば上田利治監督(阪急他)、古葉竹識(広島他)、長嶋茂雄(巨人)らが思い浮かぶ。古葉、長嶋は選手としての実績があったものの、上田は3年間でわずか56安打と寂しい成績ではあった。しかし、監督としては日本一3連覇を含む5度のリーグ優勝を果たしており、名監督として取り上げられることもあるほどだ。

現時点で平石監督代行が正式に楽天の監督となるかは分からない。しかし、近年の流れに沿って監督就任となった際には、上田監督のような存在になることを期待したい。

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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。