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セントラル・リーグは2位から6位までが、日々順位の入れ替わる大混戦となっている。オールスターゲームが終わると、待ち構えるのは夏場の6連戦だ。その厳しい日程のなかで、ベテラン選手や中継ぎをどのように起用していくかが、優勝へのポイントとなりそうだ。さて、そんなセ・リーグのここまでを振り返ってみたい。
★ポイント1:広島が独走も中継ぎ陣に不安
今シーズン、チーム史上初となる3連覇を目指す広島東洋カープが、前半戦からセントラル・リーグの首位を走っている。前半戦終了時点で貯金があるのは広島のみで、その数は「11」。2位の読売ジャイアンツに6ゲーム差をつけるひとり旅だ。だが、ここまでの広島もけっして順風満帆ではなかった。
開幕直前にチームの精神的支柱だった新井貴浩が離脱し、その後も鈴木誠也、丸佳浩と次々に主力選手が故障で戦列を離れてしまう。また、野手だけではなく、開幕投手の野村祐輔も4月末に故障で二軍降格となった。加えて、昨シーズン15勝をマークした薮田和樹も制球難が続き、二軍で調整中だ。
一方、野間峻祥をはじめとした控えの選手たちが、与えられたチャンスをものにしたことで、不安定なチーム状況の中でも、好成績を残せているのである。
故障者が戻ってきたことで、野手陣はほぼベストメンバーとなったが、投手陣、とりわけ中継ぎ陣は例年以上に不安が残る。今村猛(4.50)、一岡竜司(4.50)、中田廉(18.41)と7回までを任されることの多い選手たちの調子が上がってこない。
ここから夏場は6連戦が多くなり、中継ぎ陣の消耗は今以上に激しくなる。そのため、投手起用が勝敗のカギになるケースが増えるだろう。緒方孝市監督は3連覇へ向け、どのように整備してくるか、今後の戦い方に注目が集まる。
<セ・リーグ順位>
1位:広島
2位:巨人(6)
3位:阪神(1)
4位:DeNA(0.5)
5位:中日(1)
6位:ヤクルト(1)
※()はゲーム差
★ポイント2:交流戦で見せたヤクルトの快進撃
昨シーズン、球団史上ワーストとなる96敗を記録し最下位に沈んだヤクルトは、開幕直後こそ首位争いに加わったものの、セパ交流戦の前にはすでに17勝26敗1分の借金9で、再び最下位に戻っていた。今年も低迷が続くかと思われたが、セパ交流戦で息を吹き返す。
交流戦で勝ち星を積み重ね、球団史上初の最高勝率を記録すると、セ・リーグで唯一の貯金を作り、同率ながら4位へと浮上する。その後、一時は借金を返済するにまで至り、セ・リーグを盛り上げてみせた。
7月に入り、またもや大型連敗を喫したことで最下位へと転落したが、まだまだチャンスはある。混戦となった2015年のペナントレースを勝ち抜いたように、ここからの巻き返しに期待がかかる。
★ポイント3:松坂の復活に岡本のブレイク!そして鳥谷の記録もストップ
前半戦で注目するべき選手といえば、ついに復活を果たした中日ドラゴンズの松坂大輔だろう。初登板の4月5日の読売ジャイアンツ戦で5回3失点(自責2)とまずまずの結果を残すと、3戦目に初白星をマークする。その後、エースと呼べるほどの内容ではないが、しっかりと試合を作り続け、前半戦で記録した7試合3勝3敗・防御率2.41という数字は、及第点以上を与えられるはずだ。
またその人気は凄まじく、オールスターゲームのファン投票でも菅野智之(巨人)に約15万票差をつけ「平成の怪物」の貫禄を見せた。セパ交流戦で故障し離脱中だったものの、オールスターゲームで復帰。後半戦へ向けて弾みをつけたいところだ。
その他の選手では岡本和真(巨人)が大ブレイク。昨シーズンまで一軍での結果を残すことができなかった岡本だが、6月上旬からは4番に定着すると、期待以上の成績を残し開花した。シーズンを通した活躍に期待がかかる。
また、前半戦ではある偉大な記録がストップした。阪神タイガースの鳥谷敬による連続試合出場だ。5月29日の福岡ソフトバンクホークス戦で出番がなく、歴代2位となる1939試合で記録が途絶えた。入団1年目となる2004年の9月9日から14年間にわたり出場を続けた偉業に拍手を送りたい。
※数字は2018年7月11日終了時点