【3点解説】平石監督代行体制となった楽天は巻き返しなるか?

Satoshi Katsuta

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ここまでのパシフィック・リーグは上位5球団が勝率5割以上となり、混沌としていることは順位表を見れば分かるだろう。最下位の東北楽天ゴールデンイーグルスだけが大きな借金を抱え、取り残されているからだ。しかし、梨田昌孝監督が辞任し、平石洋介監督代行となってからの5試合で4勝1敗と巻き返しつつある。

★ポイント1:上位打線を固定し今江を三塁へ

6月17日から指揮を執ることになった平石監督代行はまず、上位打線の固定を行った。1番・田中和基(中堅)、2番・茂木栄五郎(遊撃)、3番・島内宏明(右翼/左翼)、4番・今江年晶(三塁)、5番・銀次(一塁)までが固定されている。6月24日にカルロス・ペゲーロが復帰したことで島内が右翼から左翼へと回っているものの、5試合連続で上位打線が固定されたのは今シーズン初めてのことだった。また、今江は今シーズン起用のなかった三塁で出場することとなった。

本来であれば主軸となるペゲーロの復帰でここから変化はあるだろうが、基本的な打順は固定したいというのが平石監督代行の方針なのだろう。

打線を組み替え固定した、この5日間で奪った得点は31点となり平均すると6.2点だ。梨田監督として戦った63試合は186得点で平均3.0点と倍以上の得点を挙げたことになる。

古くからプロ野球界において「打線は水物」と呼ばれており、この調子がいつまで続くかはわからない。しかし、監督交代後に打線が活発となり、好スタートを切れたことはマイナスではないだろう。打線が下降線に入ったとき、平石監督代行はどのような手を打ってくるのだろうか。

★ポイント2:外国人野手3人体制を解除

昨シーズンの楽天はペゲーロ、ゼラス・ウィーラー、ジャフェット・アマダーと外国人選手3人が20本塁打以上を達成する。これはプロ野球史上初の快挙となり、その破壊力は他球団から恐れられていた。3人は揃って残留し、ここにオコエ・ディコソンを加えた4人が今シーズンの外国人野手における体制だった。開幕から基本的には野手3人に加え、シーズン途中から守護神となったフランク・ハーマンの4人体制で臨んできたが、ここにきて投手2人体制に舵を切っている。

主軸であるウィーラーが故障で離脱したことも大きいが、6月23日に宋家豪を登録し、中継ぎの層を厚くした。その成果が翌日に現れる。6月24日の北海道日本ハムファイターズ戦で宋は中継ぎとして登板し、1回無死点で役割を果たすと直後に味方が逆転に成功し初勝利が転がり込んできたのだ。

ここまでは得点力不足もありパワーのある外国人野手3人体制で戦ってきたが、その起用法が変わりそうだ。ウィーラーの故障が癒えたときに平石監督代行が頭を悩ますほどの活躍を期待したい。

★ポイント3:「楽天の田中はオレ」ニュースター候補誕生!

楽天における生え抜き野手でブレイク候補が誕生した。立教大から2016年ドラフト3位で入団した大卒2年目の田中だ。昨シーズンは51試合の出場で打率.111、1本塁打、2打点と結果を残すことができず苦しんだ。また「楽天の田中」と言えば、現在はニューヨーク・ヤンキースでプレーする田中将大の印象が強かった。

しかし、今シーズンはここまで30試合に出場すると打率.337、4本、13打点、10盗塁と結果を残し、リードオフマンに抜擢されている。この調子を続け「楽天の田中」のイメージを田中将大から田中和基に変えたいところだろう。

シーズン途中に監督が交代することは珍しいことではない。過去にはそこから巻き返しを行った球団もある。楽天も平石監督代行の元で生まれ変わることができるだろうか。今後の戦いぶりに注目したい。

※数字は2018年6月24日終了時点

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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。