首位・西武を猛追するソフトバンク! 後半戦の好調の要因は?【3点解説】

Satoshi Katsuta

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昨シーズン日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークスは、今シーズン序盤から苦しんだ。後半戦に入っても、一時は借金を抱え3位争いから抜け出せない状況だった。しかし、ここにきて上位の北海道日本ハムファイターズ、埼玉西武ライオンズにそれぞれ3連勝し、2位に浮上する。まだまだ西武とは5ゲーム差あるが、最後までパ・リーグの優勝争いを盛り上げてくれそうだ。

★ポイント1:安定した森、スアレスが復帰し厚みを増した救援陣

シーズン序盤にソフトバンクを大きく苦しめたのが、リリーフ陣の相次ぐ離脱である。昨季最多セーブのデニス・サファテ、最優秀中継ぎの岩嵜翔と、8、9回を担うはずだった実力者たちを欠く厳しい状況だった。その穴を埋める形で森唯斗がクローザーを務めたが、序盤は打ち込まれるケースが多かった。しかし、徐々に力を発揮しはじめ、7月は月間防御率2.16、8月は1.64と、現在は好調だ。

セットアッパーの加治屋蓮は、疲れもあってか8月に入りピリッとしないが、ここにきてロベルト・スアレスが2年ぶりに一軍復帰。最速156キロを記録するなど、豪腕は健在だ。これからセットアッパーを任されることになりそうだ。

このスアレスの復帰で森、加治屋そしてワンポイントの嘉弥真新也と、勝ちパターンで4人を起用できるように。また、開幕時は先発だった石川柊太が8月からは中継ぎへと周り、いっそう厚みが増した。夏場は6連戦が多く、リリーフの起用法が厳しい日程を勝ち抜くためのカギとなる。そこでこれだけの選手層を持つのは大きな強みといえるだろう。

★ポイント2:東浜が復帰し揃ってきた先発投手たち

ソフトバンクが悩まされていたのは、中継ぎの台所事情だけではない。先発陣にも故障や不振による離脱が相次いでいた。

開幕投手の千賀滉大は不安定な投球が続き、登録と抹消を繰り返していた。しかし、後半戦に入ってからはローテーションを飛ばすことなく、4勝1敗と安定。8月17日にはプロ入り初完封もマークしている。西武追撃のためにもエースへの期待は大きい。

昨シーズン、16勝を挙げ最多勝のタイトルを獲得した東浜巨も調子が上がらず、5月末に登録を抹消された。再登録された8月7日からは3試合で2勝0敗、防御率1.65と昨シーズンの投球が戻っている。ローテーションの軸が戻ってきたことは、工藤公康監督にとっても大きな喜びだろう。

序盤戦は崩壊していたローテーションがようやく揃い、石川を中継ぎに回せる余裕も出てきたほどだ。勝負所で中継ぎ陣に続き先発投手陣も揃いはじめたのは、他球団にとって大きな脅威となるはずだ。


★ポイント3:グラシアルらシーズン途中からの「新戦力」

最近まで低迷していたチームを上昇気流に乗れたのは、シーズン途中から一軍に合流した「新戦力」たちが追い風となったからだろう。

新顔の投手陣では、大竹耕太郎とアリエル・ミランダの活躍が目立った。7月30日に育成から支配下契約となった大竹は、初登板で8回2失点の好投で初勝利をマークすると、その後も3試合に登板。そこでは勝ち星はなかったが、試合をしっかりと作った。また、シーズン途中に加入したミランダもデビューから2戦2勝と勝ちを重ねている。2年ぶりに復帰したスアレスもチームにとっては嬉しい「新戦力」といえるかもしれない。

野手陣では、後半戦から正二塁手の座につく牧原大成が躍動している。7月8日の一軍登録から、ここまで打率.329、3本塁打、19打点とレギュラーにふさわしい成績を残しており、近年固定できていなかったポジションの世代交代も果たせそうだ。

アルフレド・デスパイネが離脱した直後に一軍へ昇格したユリスベル・グラシアルも絶好調。8月26日の西武戦では試合を決めるサヨナラ満塁本塁打を放つなど、ここまで打率.362、4本塁打、13打点の活躍でデスパイネの穴をみごとに埋めた。

ベテランの長谷川勇也も忘れてはいけない。8月は月間打率.361(36打数13安打)と、首位打者に輝いた2013年を彷彿とさせるような働きを見せており、内川聖一の不在を補っている。

もちろん柳田悠岐、松田宣浩といった主軸の力もあるが、後半戦に入ってから合流してきた選手たちの活躍は、チームにとって大きな助けとなったはずだ。

残り30試合ほどで5ゲーム差を逆転するのは簡単なことではない。しかし、今の勢いにここ数年の経験を加味すると「大逆転」も不思議ではない。残りのペナントレースも、パ・リーグの優勝争いに注目だ。

※数字は2018年8月26日終了時点


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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。