フランスアにメルセデス!育成外国人選手の躍進で時代は変わる?【3点解説】

Satoshi Katsuta

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今シーズン開幕後に育成契約から支配下登録を勝ち取った選手は14人いる。すでに支配下登録後にチームへと貢献している選手も多い。福岡ソフトバンクホークスの大竹耕太郎は初登板で8回1失点の好投を見せている。

★ポイント1:めざましい育成外国人選手の躍進

さて、開幕から7月31日までの支配下登録された育成選手14人のうち5人は外国人育成選手だった。中日ドラゴンズのライデル・マルティネス、広島東洋カープのヘロニモ・フランスア、そして読売ジャイアンツのサムエル・アダメス、クリストファー・クリソストモ・メルセデス、ホルヘ・マルティネスである。

すでに全選手が一軍でのデビューを果たしており、その多くが結果を残している。フランスアは左腕から繰り出される150キロオーバーのストレートを武器とし、勝利の方程式に加わった。また巨人の3人を見ても、メルセデスは先発ローテーション、アダメスはクローザー、そしてマルティネスは初打席初本塁打を放つと二塁のレギュラーとしてポジションを掴んだのである。

大金をかけた外国人選手が振るわない球団からすると、羨ましい限りだろう。

★ポイント2:育成外国人選手の活躍は昨シーズンから始まっていた

育成外国人選手の活躍は今シーズンに始まったことではない。今年、春季キャンプ中の死球で出遅れたものの、すでに17本塁打を放っているサビエル・バティスタ(広島)も育成から這い上がってきたひとりだ。

バティスタは昨シーズン6月に支配下登録を勝ち取ると、デビューから2打席連続代打本塁打を記録したことは記憶に新しい。また、同じく昨シーズン6月に支配下登録された福岡ソフトバンクホークスのリバン・モイネロも、中継ぎとして34試合に登板しリーグ優勝、日本一へ大きく貢献している。

7月31日に支配下登録された東北楽天ゴールデンイーグルスの宋家豪も夏場に一軍デビューを果たしている。シーズンでは5試合に登板し防御率3.86の結果を残すと、クライマックスシリーズにも出場した。

昨シーズン支配下登録を勝ち取った外国人選手3人は全員が契約を更新しており、今シーズンも各所属チームで戦力として起用されている。

★ポイント3:外国人選手も自前で育てる時代へ

これまで外国人の補強といえば、他国のリーグでの実績豊富な選手を補強するのがあたりまえだった。しかし、ここ2年は、これからの飛躍が期待される若手を育成選手として契約し、自前で育て戦力とする流れができつつある。

積極的にその動きを取っている広島が昨シーズンリーグ優勝を果たし、ソフトバンクは日本一を達成した。もちろん、資金面や海外の若手を発掘するためのルート確保などクリアしなければいけないハードルはある。しかし、これだけの成功例が生まれたことで、この動きに追随してくる球団は増えてもおかしくはない。

近い将来、外国人選手も育成するのがあたりまえ、そんな時代がやってくるかもしれない。

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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。