爆買いから育成へ。 岡本・吉川・重信ら頭角を現す巨人の若手たち【3点解説】

Satoshi Katsuta

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世代交代は全てのプロ野球チームにとって永遠の課題だ。昨季日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークスもその例外ではない。松田宣浩、内川聖一らチームを引っ張ってきた主力が35歳を超え、若手の起用が増えてきた。また、読売ジャイアンツも、原辰徳前監督時代に主力だった阿部慎之助、亀井善行らがベテランになった。その一方で期待の若手も芽を出しつつある。

★ポイント1:阿部慎之助から岡本和真へ受け継がれた一塁

岡本和真は、今シーズンの巨人でもっともブレイクした若手と言っても過言ではない。2014年にドラフト1位で入団した岡本は、今季の開幕でスタメン入りするとすぐさま結果を残し、序盤から「第89代・4番」を任される。一軍では初めて経験するフルシーズンだが、ここまでは打率.303、21本塁打、66打点と順調に来ている。守備は特別優れているわけではないが、チーム状況に応じて一塁、三塁、そして左翼でもプレーするなど、多くの面でチームに貢献している。

一方、岡本がスタメンに定着したことで、ベテランの阿部を代打に専念させられるようになった。それにより、阿部は代打で17打点を挙げ、巨人のシーズン代打打点ランキング歴代2位と、試合終盤の心強い切り札が手に入った。無事に一塁の世代交代を果たせたといえるだろう。

★ポイント2:長年のネックである二塁を埋めた吉川尚輝

チームの悩みの種だったのは一塁だけではない。ここ数年は、頼れる二塁手がいないことに悩まされてきた。エドガー・ゴンザレスやルイス・クルーズといった外国人選手に頼ったこともあれば、FAで片岡治大を獲得したこともある。生え抜きの藤村大介を起用した頃もあった。

ところがどのプランもうまくはいかず、遊撃手の坂本勇人のように数年間にわたって活躍する選手は現れなかった。

そんななか、今シーズンは2年目の吉川尚輝が開幕から「2番・二塁手」でレギュラーで結果を残す。幅広い守備範囲は、中京学院大の先輩である広島の菊池涼介を凌ぐとの声も聞かれる。また、坂本の離脱後は遊撃の守備にもつき、チームの危機を救った。

また、打撃面では7月の月間打率.353と調子を上げてきており、これからの夏場に向けて大きな期待がかけられていたひとりである。

巨人の救世主となった吉川だが、8月1日のゲームで、左手を骨折し途中交代。今季中の復帰の目途は立っていないが、来季以降にむけて大きな自信がついたことは間違いない。長年のネックだった「二塁手問題」解決のために、元気な姿でチームに戻りたい。

★ポイント3:重信慎之介は外野の救世主となるか?

今季好調な若手外野手といえば、プロ3年目の重信慎之介だ。今季はケガにより二軍で開幕を迎えたが、6月に一軍へ昇格すると、少ないチャンスをモノにし、7月後半からはセンターでレギュラーに定着する。

ここまでは打率.366と好調を維持し、リードオフマンに抜擢された。また、33試合・75打席で3本の三塁打を放ち、俊足を存分に活かしている。

巨人の主力外野陣は陽岱鋼(31歳)、長野久義(33歳)、亀井(36歳)と高齢だ。そこに、25歳の重信が加われば、世代交代が一歩進むことになる。両翼を中堅からベテランに任せ、外野の要であるセンターを若い重信が守るというのは理想的だ。

このように巨人は岡本、吉川尚、重信と3つのポジションで若手が頭角を現してきた。彼らが通年で成績を残し来シーズンもスタメンを張り続ければ、一気に世代交代が進むことになる。大型補強の象徴だった巨人だが、これからは「育成の巨人」に変わるかもしれない。

※数字は2018年8月14日終了時点

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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。