【徹底分析】福岡ソフトバンクホークス、多少の問題は吹き飛ばす層の厚さが魅力

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プロ野球史上、5番目の最多勝利数となる「94」勝を挙げての優勝、そして日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークス。資金力と育成力を兼ね備え黄金時代を築くソフトバンクは、キャンプやオープン戦で故障者も出ているが、果たして昨年のような強さを維持できるのだろうか。

【チーム】穴のない陣容。救援投手、ショート、センターが大きな貢献

94勝、貯金45という球史に残るペースで勝利を重ねた戦力だけあり、昨季は明確に弱点と呼べるものはなかった。ポジション別に打撃成績を見ていっても、リーグ平均を割ったのはセカンドとライトのみ。それも小さなマイナスで、優れていた守備と相殺すれば消えてしまう程度で、まんべんなく戦力を保持できているところに強さがあった。

その中でも強みとなっていたのは、デニス・サファテらを擁する救援投手陣と柳田悠岐らが守ったセンターの働きだ。そのほか、年々長打力を高める今宮健太の打撃での働きなども効いていた。

【攻撃】最強打者・柳田悠岐の打席増、捕手の穴ふさいだ甲斐の成長でさらに増強

言うまでもないが、攻撃陣の核となっているのは柳田悠岐だ。2014年から57.3%、54.2%、55.3%と推移してきたゴロ率を昨季は40.7%に下げ、フライを増やすことで本塁打も増やした。現在、NPBにおける得点に対して最もインパクトを与えられる存在といっていい。一昨年が120試合、昨季が130試合の出場と2年続けて離脱期間があったが、もし今季フルに近い出場を果たせれば、ソフトバンクにとってはアドバンテージを得ることになる。

その他では、前述の今宮、また昨季成長を見せた捕手の甲斐拓也の存在もカギ。ソフトバンクはここ数年捕手の打力に難を抱えてきたが、甲斐はそれを解消に導く打撃を見せた。25歳という年齢を考えても成長の余地があり、強肩という武器も含め、昨季以上の貢献を見せる可能性がある。

【投手陣】先発陣にアクシデントが起きても、傷を広げない備え

昨季は千賀滉大、武田翔太、和田毅の3投手が同時に離脱するなど先発投手のやりくりに苦しんだ局面があった。それでもリック・バンデンハークや東浜巨らのフル回転、また待機していた戦力が力を発揮しリーグ平均以上の質は保った。中心戦力が欠けても、大きな傷としない程度に埋め合わせることはできる投手がそろっている。今季も千賀、和田らの調整の遅れが伝えられていたが、多少の離脱は決定的なダメージにならない。

また、先発に離脱者が出たときのもうひとつの安全装置として強力な救援陣の存在がある。昨季勝ちパターンの投手にかなりの負荷がかかった点は気になるが、新しい戦力をはめこみやすいポジションではある。2015年のドラフト1位・田中正義などの候補もおり、今季も長いイニングを投げるのが難しい先発投手を、早めの継投で支えカバーしてみせることだろう。

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