左腕カルテットが活躍!巨人は2位争いを抜け出せるか?【3点解説】

Satoshi Katsuta

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7月30日から行われた読売ジャイアンツと横浜DeNAベイスターズの3連戦で、巨人は先発左腕が3日連続で好投を見せ、各先発投手が勝ち星を挙げた。内海哲也、吉川光夫、C.C.メルセデスである。そして、次のカードでも1勝1敗で迎えた第3戦で今村信貴が無四球完封勝利を飾っている。

★ポイント1:1週間で先発左腕が4勝をマーク

このカードで初戦を任されたのはベテランの内海だった。立ち上がりを0点に抑えて迎えた2回裏に2死満塁のピンチを招く。この場面で桑原将志を中飛に打ち取ると、その後は大きなピンチもなく、9回を投げきり、自身4年ぶりとなる完封勝利をマークした。

翌日の試合では吉川光夫が内海の投球に触発されたのか、今季最長となる7回を投げ1失点とDeNA打線を抑え込み、4勝目(3敗)を飾る。3戦目はC.C.メルセデスが2失点完投勝利で2試合ぶりの白星を挙げた。つづく中日ドラゴンズとの3連戦では1勝1敗で迎えた第3戦において、今村信貴がプロ初完封をマークしている。

このように内海、吉川光、メルセデス、今村の左腕カルテットで4勝をマークしてみせた。

★ポイント2:競争を勝ち抜き掴んだ先発投手の座

序盤戦の巨人投手陣を振り返ってみると、菅野智之、山口俊はローテーションに定着しているものの、その他の先発投手はそうではない。先週、結果を残した4人の中で開幕ローテーションに入っていたのは吉川光ただひとり。その吉川光もローテーションを守ってきたわけではなく、登録抹消や中継ぎ起用を経てふたたびチャンスを与えられての好投である。

その他の投手を見ても各々が競争を勝ち抜いてきた。内海は大竹寛とのベテラン対決を制し、メルセデスはアルキメデス・カミネロ・アレックス・ゲレーロの不振があり支配下登録を勝ち取った。激しい外国人枠競争を経て一軍へと滑り込んだのだ。今村も同様だ。今シーズン初登板となった交流戦の東北楽天ゴールデンイーグルス戦において好投したことで、以降の登板機会をモノにしている。けっして、最初から先発の座が与えられていたわけではないのである。

★ポイント3:待たれる田口、野上の復調

ベテラン内海の復活、育成だったメルセデスの好投などはチームにとって喜ばしいことではある。しかし、開幕ローテーションに入っていなかった彼らがローテーションには入れると言うことは、当初予定されていた先発投手が外れていることも意味している。

巨人にとって計算外だったのが、田口麗斗や野上亮磨の不振だ。昨シーズン、菅野、マイルズ・マイコラスとともに先発3本柱として13勝をマークした田口は今シーズン開幕から調子が上がらず、7月上旬に登録を抹消されてから再昇格は果たしていない。また、FAにより埼玉西武ライオンズから加入した野上も先発としての役割を果たせず、登録抹消を経て中継ぎとして起用されている。

そんな彼らが調子を取り戻し、ローテーションに戻ってくることができれば、巨人の投手層はより一層厚くなることは間違いない。また、その他にも2年目の畠世周、先日一軍初先発のチャンスをもらった高田萌生やルーキーの鍬原拓也と若手有望株も数多くいる。

混戦となっているセ・リーグ2位争いを抜け出すためにも、先発投手陣の安定化は必須だ。実績ある選手の復調、そして若手の台頭ともに期待したい。

 

 

Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。