山田哲人がとある大記録を68年ぶりに更新? 得点にまつわるアレコレ【3点解説】

Satoshi Katsuta

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野球には本塁を踏んだ回数を数える「得点」という記録があるが、東京ヤクルトスワローズの山田哲人がその「得点」の数で大記録を打ち立てるかもしれない。8月22日の広島東洋カープ戦で山田はシーズン100得点を記録し、自身2年ぶりの100点超えを達成。キャリアハイかつ、球団記録でもある2015年の119得点を更新しそうな勢いだ。

★ポイント1:シーズン最多記録更新の可能性も!

ヤクルトは107試合を消化し、山田の得点は101点。単純計算ではシーズン135得点のペースだ。これは、シーズン得点数歴代3位の記録で、1位の143点の更新も不可能ではない。

ちなみに歴代トップの記録は、1950年に松竹ロビンスの小鶴誠が打ち立てた。1950年といえば、セントラル・リーグ、パシフィック・リーグの2リーグ制の元年だ。それから68年間も破られなかった記録がついに更新されるかもしれないのである。

【シーズン得点ランキング】

  順位 選手名 所属 年度 得点
  1 小鶴誠 松竹 1950 143
  2 T.ローズ 近鉄 2001 137
  3 藤村富美男 阪神 1950 130
  4 別当薫 阪神 1949 129
  5 小笠原道大 日本ハム 2000 126
  6 千葉茂 巨人 1949 121
  6 岩本義行 松竹 1950 121
  6 西岡剛 ロッテ 2010 121
  9 金本知憲 阪神 2005 120
  10 松井稼頭央 西武 2002 119
  10 赤星憲広 阪神 2005 119
  10 山田哲人 ヤクルト 2015 119

★ポイント2:近年の最多得点は?

NPBでは得点に関する表彰を行っていない。そのため、だれが得点を多く挙げているのかは、なかなか話題にならない。昨シーズン、セ・リーグでは広島東洋カープの丸佳浩(109得点)、パ・リーグでは埼玉西武ライオンズの秋山翔吾(106得点)がトップだった。

過去5年の最多得点者には、ホームランバッターとリードオフマンの両方がランクインしており、どちらが有利とは一概には言えない。得点数というと、後ろに強力なクリーンナップが控える上位打線の打者が多いイメージだが、必ずしもそうではない。

【過去5年シーズン最多得点】

  年度 選手名 チーム 得点 選手名 チーム 得点
  2013 バレンティン ヤクルト 94 陽岱鋼 日本ハム 93
  2014 丸佳浩 広島 106 柳田悠岐 ソフトバンク 91
  2014 山田哲人 ヤクルト 106
  2015 山田哲人 ヤクルト 119 柳田悠岐 ソフトバンク 110
  2016 山田哲人 ヤクルト 102 秋山翔吾 西武 98
  2016 田中広輔 広島 102
  2017 丸佳浩 広島 109 秋山翔吾 西武 106

★ポイント3:王貞治は44.1%が本塁打による得点

通算最多得点記録保持者は、1967得点を記録した王貞治(現ソフトバンク会長)だ。2位の福本豊も1656点と素晴らしい数字を残したが、王と福本の差は311得点。まさに王の独壇場と言っていい。王、福本に続く3位以降は長距離打者の名前がズラリと並んでいる。福本の次に上位打線で活躍した選手は、10位の石井琢朗(現ヤクルト打撃コーチ)まで不在だ。

つまり、通算記録では自分自身で本塁打を打ち、得点を稼いでいる選手が多いのである。得点に対する本塁打の割合を見ると、王の44.1%を筆頭に、ランキング上位の打者は30%台後半以上の数値を残している。

一方で、長距離打者ではない福本は12.6%、石井は7.9%と本塁打の割合がかなり低い。彼らの得点は、後ろの打者に返してもらったものが多くなっているのだ。

山田の得点における本塁打率は現時点で28.8%。シーズンによって打順が異なるため、長距離打者にしてはやや低い数値となっている。

プロ野球では上位打線に俊足の打者を置かれる傾向が強い。福本のような例外を除き、一般的に脚力は年齢に応じて衰えるものだ。そのため、長きにわたって1番打者として活躍できる選手は少なく、得点数も伸びにくい、ということが通算記録からわかる。

はたして山田はここからどのように得点を積み重ねていくのだろうか。今後の推移を見守りたい。


【歴代得点ランキング】

  順位 選手名 得点 本塁打 割合
  1 王貞治 1967 868 44.1%
  2 福本豊 1656 208 12.6%
  3 張本勲 1523 504 33.1%
  4 野村克也 1509 657 43.5%
  5 金本知憲 1430 476 33.3%
  6 衣笠祥雄 1372 504 36.7%
  7 山本浩二 1365 536 39.3%
  8 落合博満 1335 510 38.2%
  9 門田博光 1319 567 43.0%
  10 石井琢朗 1298 102 7.9%
  参考 山田哲人 562 162 28.8%

※山田の数値は2018年8月23日終了時点


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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。