丸のFA行使に手を挙げるのはどの球団? 広島はどうなる?【3点解説】

Satoshi Katsuta

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オフの移籍市場でもっとも注目を浴びそうなのが、今シーズン中に国内FA権を取得した広島東洋カープの丸佳浩だ。今シーズンは序盤に離脱したが、ここまで打率.321、35本塁打、85打点と好成績を残している。

★ポイント1:2年連続MVPも視野に入る活躍で広島は慰留へ

昨シーズン、自身初のリーグMVPに輝いた丸は、今シーズンも絶好調を保っている。しかし、ここまで順風満帆だったわけではない。シーズン序盤に負傷離脱し、連続試合出場記録が「700」でストップしてしまった。

およそ1カ月のリハビリを経て5月末にチームに戻ると、6月にはエンジン全開。月間打率.346と好成績を残し、その勢いのままに苦しい夏場を乗り越えてきた。

離脱があったにもかかわらず、ここまで本塁打35本、85打点の活躍を見せており、今季のMVPの最有力候補に数えられている。また、2年連続でMVPに輝けば、2008年と2009年に巨人でアレックス・ラミレスが達成して以来9年ぶりとなる。

この活躍を受け、広島の松田元オーナーは「最大限の引き留めを行う」とコメント。かつての新井貴浩、金本知憲らのような「去る者追わず」というスタンスではない。今後、オーナーの条件提示次第で、丸の動向は変わりそうだ。

★ポイント2:手を挙げるのは3球団?

仮に丸がFA権を行使した場合、多くの球団が手を挙げるだろう。今シーズンの年俸は推定2億1000万円で、3億円がベースの複数年契約が最低ラインだ。4億円、5億円の年俸が提示されてもおかしくないため、資金力がある球団でないと丸の獲得はむずかしい。

その点を考慮すれば、有力候補になりそうなのが、福岡ソフトバンクホークス、阪神タイガース、読売ジャイアンツの3球団だ。ソフトバンクは中堅に柳田悠岐がいるが、丸が加入することで柳田を両翼へコンバートできる。柳田、丸、上林で外野を固め、中村晃を一塁で起用できるため、ソフトバンクの丸獲得はあり得ないプランではない。

阪神は糸井嘉男、福留孝介らベテランが両翼を守っているが、中堅は固定できていない。ここに丸を固定できれば、ベテランふたりを休ませつつ、若手を使えるようになることがメリットとなる。

そして、巨人も外野のレギュラー陣は重信慎之介をのぞき高齢化が進んでおり、丸はまさに適役だ。

また、同リーグの阪神や巨人が丸を獲得することで、広島の戦力をそぎ落とせることも魅力的なポイントだろう。巨額のマネーゲームとなる可能性も高いが、是が非でも獲得したいところ。

★ポイント3:丸が抜けると広島の外野はこうなる!

一方で、もしも丸を失ったら広島の布陣はどうなるだろうか。今シーズン、丸が不在の間は、主に野間峻祥がセンターを守っていた。丸の復帰後は左翼でスタメン出場を続け、打率3割前後をマークしている。

また、右翼は鈴木誠也、左翼は松山竜平、サビエル・バティスタとおり、守備力低下の懸念はあるものの、スタメンを組むのも一苦労という事態にはならなそうだ。

また、戦力は未知数だが高橋大樹、永井敦士といった若手もいる。彼らのような若手にとっては、レギュラー奪取の大チャンス。近年の広島が力を付けた理由のひとつである「若手の躍進」に望みをかけるプランもありそうだ。

来シーズン、丸はどこのユニフォームを着ているのだろうか。ファンにとってシーズンオフ最大の関心となりそうだ。

※数字は2018年9月9日終了時点

 

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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。