平成最後の天皇杯、JTサンダーズは1セットも取られることなく頂点に立った。
高いブロックと堅い守備で流れを引き寄せ、多彩な攻撃で相手を翻弄するJT。その中でも、最大の得点源として他チームに最も恐れられていたのが、オーストラリア出身のオポジット、トーマス・エドガーだった。
エドガーは今大会、準決勝で27点、決勝でも28点を決める大活躍。点取り屋としてチームの総得点のおよそ半分を一人で稼いだ。もしこの大会にMVPがあったとしたら、間違いなく彼が選ばれていただろう。
決勝のあと、コート裏に座っていたエドガーを直撃。優勝の興奮が冷めぬ間に、試合を振り返ってもらった。
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ーー今日の勝因は?
一番の勝因は、東レのやっていることより、自分たちのやるべきことに集中できたことだ。サーブで相手に圧力をかけられたし、重要な場面でブロックや守備に集中できた。東レはレベルの高いチームだ。今季はリーグでは実力を出しきれていないが、今大会では安定したプレーを見せていた。だから今日は自分たちの実力を試すのにいい機会だった。優勝できたことはすごく嬉しい。今日はチーム全員がいいプレーをできていた。
ーー相手選手に要注意人物として挙げられていたが、プレッシャーはあった?
外国人選手であることで、ブロックや守備が厳しくなるのは当然だ。きょう、東レにはさまざまな局面でとてもいいディフェンスをされた。だが深津(旭弘)が素晴らしいプレーを見せてくれた。僕にたくさんのチャンスを与えてくれたんだ。1ブロックの状況を作ったり、ブロックを割らせたりしてくれたので、プレーし易かった。東レはとても良いシステムを敷いていたが、僕は最終的に自分の目前にあるものだけを気にしていれば良かったんだ。
ーー第1セット、相手選手がJTサイドに向かって叫んで得点を喜ぶ場面があったが、それで士気が高まった?
そんなことはない。相手選手が何をしたかを気にすることはあまりない。それもバレーボールの一部だ。みんなエネルギーにあふれているので、少し興奮してネット越しに吠えたり、相手に向かって喜んで見せたりすることはある。それも試合の一部だし、その後のプレーやポイントで一時的に士気が高まることはあるかもしれないが、それによってプレーに悪い影響が出ないようにするのが一番重要だ。その点で今日の僕たちはうまく対応できた。
ーー試合前のチームの雰囲気はどうだった?
ここ3週間のJTの雰囲気は、僕が見てきた中で最も良かったと思う。(12月8日に)Vリーグでパナソニック(パンサーズ)に勝った。天皇杯ではサントリー(サンバーズ)を破って、準決勝で豊田合成(トレフェルサ)に勝った。今日はみんながこれまでで一番自信を持っていたし、落ち着いてプレーできていた。5ポイント差をつけられていた局面でも、落ち着いてプレーできたので追いつくことができた。メンタルと自信の観点で見ると、今週末(準決勝と決勝)でJTは大きく前進できたと思う。
ーー来年、さらなる活躍を期待しています。
この優勝は、僕たちにとって一つのステップに過ぎないと信じている。この優勝を楽しむために少し落ち着いて、メンタルを休める時間が必要だが、まだ改善すべき部分はある。最大の目標はVリーグでの優勝だ。天皇杯の優勝は素晴らしいが、もう終わったので、優勝を祝ってからVリーグに向けてメンタルを調整し直さなくてはならない。リーグ優勝は簡単なことではないからね。
エドガーは終始、自身のプレーよりもチーム全体や他の選手について多く話し、主語には、“I(僕)”よりも、“We(僕たち)”を使った。
バレーボールは、チームメートとの信頼関係がなければ成り立たない、究極のチームスポーツだ。外国人選手たちにとって、日本のチームでこれを構築することは容易ではない。南半球から来たエドガーがチームメートから絶大な信頼を得られているのは、そういった仲間意識と周りへの思いやりがあるからなのだろう。
このインタビューも、オーストラリアにいる父親に優勝報告をしていたにも関わらず、通話を中断して応じてくれたものだった。インタビュー後に、「通話の邪魔をして申し訳ありませんでした」と謝ると、「いいんだ。彼も仕事中だったし、ちょうどいいタイミングだったんだよ」と、笑顔を見せてくれた。
今大会で圧倒的な存在感を見せたエドガーは、その大きな身体と広い心で2019年もチームを牽引し、Vリーグ優勝という大きな目標に向かって突き進んでいく。
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