[単独インタビュー]ドレイモンド・グリーン「簡単ではないが3連覇の可能性は高い」

Mizuho Nishio

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自分たちの目標に向かって突き進むのみ

――先日、あなたはレブロン・ジェームズのことを「史上最も偉大な選手だ」と発言しました。そのジェームズがロサンゼルス・レイカーズに移籍しましたが、彼の移籍によってウェスタン・カンファレンスのパワーバランスにどのような変化が起こるでしょうか?

グリーン: レブロンは「史上最も偉大な選手」と言われるだけのことを成し遂げてきた。彼は今まで所属したチームを必ず優勝候補に作り上げ、この10年で8回NBAファイナルに進出している。きっと彼はレイカーズも優勝候補にするはずだ。ウェスタン・カンファレンスが今まで以上にタフになるのは間違いない。イーストも今まで通りタフであり続けるだろうけどね。

レイカーズは、レブロンを中心とした厄介なチームになるはずだ。彼らは若く才能ある選手を揃えているし、ラジョン・ロンド、ランス・スティーブンソン、ジャベール・マギーといった優れたベテラン選手も加えた。彼らを倒すのは骨が折れるだろうが、僕らウォリアーズの目標は今までと変わらず「優勝」の二文字だけだ。だから、相手が誰だとか、どのカンファレンスやディビジョンに所属してるとか、そういったことは気にせず、ひたすら自分たちの目標に向かって突き進むのみだよ。

――ウォリアーズもデマーカス・カズンズという大きな補強をしました。昨シーズン途中にアキレス腱を断裂したカズンズの復帰は今シーズンの中旬頃と予想されていますが、彼が合流することでウォリアーズにはどのような良い影響が生まれるでしょうか?

グリーン: 復帰後に彼をチームにフィットさせることが、今シーズンの僕らの最優先事項だ。彼の加入は非常に大きな意味を持っている。カズ(カズンズ)は1試合平均26点ぐらい得点できて、1試合に40点とか50点を取ることだってできる。オールスター選手であり、リーグでもトップ10に入る選手である彼をチームに迎え入れることは、とても凄いことだ。

なんと言っても、彼が加入することでインサイドに存在感が生まれ、ポストにボールを入れられるようになるのが大きい。彼はそのままインサイドで得点することもできるし、彼のパスアウトからアウトサイドシュートで得点することもできるからね。僕らのオフェンスはより多彩かつダイナミックになるはずだ。

それに、ディフェンス面で彼は過小評価されているけれど、彼はブロックショットができるし、テイクチャージも上手いし、相手のバランスを崩すのも上手いんだ。とにかく、カズを補強したことはウォリアーズにとって非常に大きなことだ。彼がチームに加わることに興奮しているよ。

Draymond Green in Japan

僕が相手チームのヘッドコーチだったら、余計な作戦を練ることを諦める(笑)

――ちょうどオフェンスの話が出ましたが、ウォリアーズのオフェンスはとても強力です。あなたたちは外からシュートを決めることができるし、ゴールにアタックして得点することもできます。そこで、ディフェンスが得意なあなたにお聞きしたいのですが、もしあなたが相手チームのヘッドコーチだったら、どういった戦略でウォリアーズのオフェンスを止めますか?

グリーン: どのチームも、あの手この手でディフェンスしてくるけれど、僕らは上手く得点できているし、この調子で得点し続けたいと思っている。僕が相手チームのヘッドコーチだったら、余計な作戦を練ることを諦めるかな(笑)。僕らは、相手がどんなディフェンスを仕掛けてきても必ずそのディフェンスを切り崩してしまうからね。そうやって、僕らは相手チームにとってどんどんタフな存在になっていくんだ。

――では、1対1のディフェンスについて聞かせてください。現役選手やコーチに話を聞くと、彼らは口々に「ケビン・デュラントのオフェンスは止めようがない」と言います。ディフェンスの名手であるあなたは、デュラントのオフェンスに対してどんなディフェンスをしますか?

グリーン: とにかくタフショットを打たせるようにするよ。誰だってそうしようと思っているだろうけれどね。

実際、僕もKD(デュラント)は史上最高のスコアラーだと思っているよ。彼は7フッターなのにガードのように動いてシュートできる。しかも、彼は決して悪いショットセレクションをしないんだ。トラップディフェンスで囲まれても、彼は背が高いからディフェンダーの上からフリーの味方を見つけることができる。彼の高さに対抗しようとして自チームの7フッターをマッチアップさせるチームもあるけれど、彼のスピードに付いていけるビッグマンなんて今まで1人もいなかったよ。

KDのオフェンスを完璧に止めることは難しいけれど、可能な限りタフショットを打たせるようにして、あとはシュートが落ちることを祈るのみだね。

Draymond Green in Japan

ウェストは間違いなく混戦になる

――今シーズンのウェスタン・カンファレンスは激戦が予想されます。ウォリアーズのライバルになりそうなチームはどこでしょうか?

グリーン: ウェスタン・カンファレンスは全体的にタフになるはずだ。昨年のウェスタン・カンファレンス・ファイナルで第7戦までもつれ込んだヒューストン・ロケッツは今シーズンもタフな相手になるだろう。レブロンが加入したレイカーズも強くなるはずだ。ユタ・ジャズも年々力を増している。デイミアン・リラードとCJ・マッカラムを擁するポートランド・トレイルブレイザーズも相変わらず良いチームだ。トレバー・アリーザを補強したフェニックス・サンズは、インサイドの核となるルーキーのディアンドレ・エイトンと得点源のデビン・ブッカーを中心に強豪チームの仲間入りを果たすはずだ。サンアントニオ・スパーズは主要選手の引退や移籍が相次いだけれど、グレッグ・ポポビッチHCの手腕によってラマーカス・オルドリッジと新加入のデマー・デローザンを中心とした素晴らしいチームを作ってくるはずだ。オクラホマシティー・サンダーは相変わらず強いしね。

ウェストは間違いなく混戦になるはずだ。毎晩タフな試合が続くだろうし、苦しい時期もあるかもしれないけれど、今シーズンも良い成績で終えられることを願っているよ。

――ちょうど昨シーズンのロケッツとのウェスタン・カンファレンス・ファイナルの話が出ましたが、ウォリアーズは紙一重の差で彼らを下してNBAファイナルに進むことができました。この2チームの差を分けた要因は何だったのでしょうか?

グリーン: 確実に言えるのは、僕らのほうが経験値が上だったということだ。僕らのほうが7戦シリーズの戦い方をよく知っていたんだ。僕らは、あのシリーズの最後の3試合は全て15点差以上をひっくり返す展開で勝利している。それを可能にしたのは、ほかでもない経験の差なんだ。

僕らは、何度もそういった窮地をくぐってきたからね。普通のチームならプレイオフの大舞台で追い込まれたらパニックに陥ってしまうはずだ。でも、僕らは追い込まれた状況でも48分間絶えず集中を切らさずに落ち着いてプレイすることができる。

ロケッツとの対戦で勝敗を分けたのは、そういった経験値の差だったんだ。

――ウォリアーズがスリーピート(リーグ3連覇)を達成する可能性は高いですか?

グリーン: その可能性は高いと思うよ。僕らは、いつだって優勝という1つの目標を目指しているからね。もちろん優勝は決して簡単なことではないけれど、僕らは毎シーズン、その目標のために全力を注いでいる。今シーズンのNBAも強豪がひしめいているが、目指す戦い方ができれば、きっと再び優勝を手にできるはずだ。

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