21日の夜、ティップオフが予定されていた午後8時のわずか数分前、レブロン・ジェームズはクイックン・ローンズ・アリーナのトンネルを歩いて抜けた。ジェームズのユニフォームを着たファンたちは立ち上がり、ロサンゼルス・レイカーズのチームメイトたちとウォームアップを始めた4度のMVP受賞者に声援を送った。
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クリーブランド・キャバリアーズのコーチ、ラリー・ドリューは試合前、このように語っていた。
「クリーブランドの街にとって、今夜はビッグナイトだと理解している。ヒーローが帰ってきたのだから」。
このスタジアムでは、至るところでジェームズを見ることができる。メディア関係者用エレベーターのドアが閉まると、ジェームズがケビン・ラブと抱き締め合っている姿が見える。キャバリアーズが強敵ゴールデンステイト・ウォリアーズを相手に世紀の大逆転劇を演じ、クリーブランドのあらゆるプロスポーツチームとして52年ぶりの優勝を成し遂げたときのものだ。セクション103に向かうと、ジェームズの姿が壁に描かれている。ビジター用ロッカールームに歩くと、モーリス・ウィリアムズのすぐ隣にジェームズがいる。
「アクロン出身の少年」はNBAでの11年のシーズンで、このチームに永遠に色あせない功績を残した。スターター紹介でジェームズがスタンディングオーベーションを受け、第1クォーター序盤に立派なトリビュート映像が流れたのは、当然だ。
「ファンたちが僕に感謝してくれるのと同じだけ、僕はファンたちに感謝している」とジェームズは言った。
「コートに立つと毎晩、彼らは僕だけでなくチームメイト全員に、11年間にわたって感謝を示してくれた。特に優勝をかけて戦った直近の4年間は」。
Thank you, @KingJames! 🏆 pic.twitter.com/LoeMSvbDLb
— Cleveland Cavaliers (@cavs) 2018年11月22日
ありがとう、レブロン・ジェームズ!
この映像はまた、この夜のターニングポイントでもあった。「レブロンの素晴らしき凱旋」から、普通のNBAの試合へと切り替わったのだ。満員の観衆はキャバリアーズに勝つチャンスがあると見るや、ジェームズへの声援をどんどん減らしていった。
第4クォーター、残り5分を切った時点で、キャバリアーズが99-91でリードしていた。それから、ジェームズはこれまで何度もコートの上でやってきたことをやってのけた。
まずはカイル・クーズマにパスを送り、3ポイントシュートのお膳立て。これで5点差となった。ドリブルしてファウルをもらう。3点差に縮まった。左端から3ポイントシュートを決め、同点に。ドリブルして再びファウルをもらう。2点リード。ジェームズは試合時間がわずか2分ちょっとしか経たない間に、8点ビハインドを2点リードに変えてみせた。ジェームズはこの試合、32得点、14リバウンド、7アシストを記録し、レイカーズを109-105の勝利に導いた。
「彼はバスケットボール史上最高クラスの、試合終盤に強い選手だ」と、レイカーズのヘッドコーチ、ルーク・ウォルトンは言った。
「コートの端からあんな風に攻撃を繰り返すのだから、どんなコーチでも彼のような選手が欲しいと思うだろうね」。
試合終盤の大活躍が観客を驚かせることは全くもってなかったが、ジェームズがもうワイン色とゴールドのユニフォームを着ていない今、キャバリアーズに何が残されているかを考えさせた。
ラブは足の故障で、カレンダーが2019年になるまで復帰できないかもしれない。ジョージ・ヒルは今も肩の故障からリハビリしている。J.R.スミスはフロントオフィスがトレードを模索しており、もはやチームの一員ではない。キャバリアーズは2018年のドラフト1巡目指名選手であるコリン・セクストンがスター選手になることを期待しているが、彼の成長にはすでに懐疑的な目がある。
キャバリアーズの今季成績を2勝14敗とした水曜日の敗戦前、ドリューHCは「負けるために指揮を執っているわけではない」、そして「そんなことは決してしない」と言った。しかし、どれほど「タンキング」(戦いを放棄し、翌年のドラフトで上位指名権を獲得しようとする行為)という言葉が囁かれようと、負けが増え続けていくことは間違いない。レブロンはシステムそのものだった。彼という中心点を失った今、キャバリアーズは新しいアイデンティティを見つけなければならない。
「コートの内外でこれだけ長い時間を共に過ごしてきた仲間たちが、今のような状況に陥っているのを見て、何も感じずにはいられない」と、ジェームズは言った。
「彼らはチャンピオンなんだ。彼らはファイナルを戦った選手たちで、今のキャリアを築くまで懸命に努力を重ねてきた選手たちなんだ」。
「彼らが今いるような状況に自分の友人たちが陥るのは、決して見たくない。でもプロフェッショナルとして、彼らは今夜見せたように、今も全てを出し切っているんだ」。
多くのファンたちが、キャバリアーズをあと一歩で勝利というところまで後押しした。セクストンは、いまだかつてこのような観衆は見たことがなく、その声援は「自分たちを戦い続けさせてくれた」と言った。しかし、最後には、若くて再建中のチームが敗れる。レイカーズにはレブロンがいて、キャバリアーズにはいないのだ。
2014年、クリーブランドに復帰することをバスケットボール界に伝えた手紙で、ジェームズはこう綴っている。
「北東オハイオでは、何も与えられていない。全ては勝ち取らなければならない。自分が持っているもののために戦うんだ」。
ファンは彼に最大限の感謝を示した。なぜなら彼は、チーム史上最高の黄金期を築き上げ、2016年に予想を覆す優勝を果たしたからだ。
そして今、レブロンはロサンゼルスに帰り、キャバリアーズには多くの宿題が残っている。
原文:LeBron James closes chapter with Cleveland return, and new reality sets in for Cavs
翻訳:Muneharu Uchino
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