全英オープンのゴルフコースを徹底解説。2018年の大会日程や見どころも!

Tomohide Yasui

全英オープンのゴルフコースを徹底解説。2018年の大会日程や見どころも! image

▶スポーツ観るならDAZNで。1カ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

全英オープンのコースについて

2018年大会の舞台。カーヌスティ特有の“バリー・バーン”がプロたちの攻略を阻む

2018年大会の舞台は、スコットランドの東岸に位置するカーヌスティ・ゴルフリンクス。全英オープンの開催は8回目となる。直近の開催は2007年で、パドレイグ・ハリントン(アイルランド)がセルヒオ・ガルシア(スペイン)とのプレーオフを制し、メジャー初制覇を果たした。

カーヌスティの最大の特徴は、バリー・バーンと呼ばれる小川が流れていること。1999年大会では、ジャン・ヴァン・デ・ベルデ(フランス)が最終日の18番ホールで後続に3打差をつけながら、第3打を小川に落としてトリプルボギーを叩き、プレーオフで敗れた。この逆転劇は「カーヌスティの悲劇」と呼ばれている。

 

その他の全英オープン開催コース

セントアンドリュース・オールドコース(スコットランド)

全英オープンを29回開催している世界最古のゴルフコース。ゴルフのルールを司るR&Aの本部があり、ゴルフの聖地と呼ばれている。直近の開催は2015年。ザック・ジョンソン(米国)がプレーオフでルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)とマーク・リーシュマン(豪州)を下し、メジャー2勝目を手にした。第150回記念大会となる2021年の開催も決定している。

ロイヤルセントジョージスゴルフクラブ(イングランド)

全英オープンを14回開催。1894年に初めてスコットランド以外で開催された、イングランドの中で最も開催の歴史が古いコース。イングランド南東部のサンドウィッチ湾の海岸線に位置している。直近の開催は2011年で、ダレン・クラーク(北アイルランド)が42歳11カ月で悲願のメジャー初制覇を果たした。2020年に15回目の開催が決定している。

ロイヤルリバプールゴルフクラブ(イングランド)

全英オープンを12回開催。イングランド中西部の港湾都市リバプールに位置するリンクスコースで、すぐ近くにあるホイレークという村の名前がそのままコースの愛称になっている。直近開催の2014年大会では、ロリー・マキロイ(北アイルランド)が初日から首位発進を果たし、3日目終了時点で後続に6打差をつけ独走。最終日は差を詰められたが、2打差でしのいでキャリアグランドスラムに王手をかけた。1930年にボビー・ジョーンズが年間グランドスラムを達成したコースとしても知られている。

ロイヤルリザム&セントアンズゴルフクラブ(イングランド)

全英オープンを11回開催。イングランド中西部の港湾都市サウスポートの北側に位置する。他のリンクスコースと比べて海と離れているが、海側の土地の隆起によってコースが内陸部に移動した。直近の開催は2012年。3日目終了時点でアダム・スコット(豪州)が後続に4打差をつけたが、最終日にアーニー・エルス(南アフリカ)が大逆転で2002年以来となる全英オープン2勝目を挙げた。

ロイヤルバークデールゴルフクラブ(イングランド)

全英オープンを10回開催。イングランド中西部の港湾都市サウスポートに位置する。直近の開催は2017年。ジョーダン・スピース(米国)が最終日の13番ホールでティーショットを右ラフに打ち込んでアンプレヤブルとしたが、練習場から放ったリカバリーショットで息を吹き返し、優勝を引き寄せた場面は記憶に新しい。1961年にアーノルド・パーマー(米国)がここで勝利を挙げ、全英オープンの人気復活のきっかけになったことでも知られている。

ロイヤルトゥルーンゴルフクラブ・オールドコース(スコットランド)

全英オープンを9回開催。スコットランド南西部のキンタイア湾の海岸線に位置している。直近の開催は2016年。ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)がフィル・ミケルソン(米国)と最終日に熾烈なデットヒートを演じ、2位のミケルソンに3打差、3位に14打差をつけて悲願のメジャー初制覇を果たした。最も有名なホールは8番パー3の「ポステージ・スタンプ」。郵便切手のように小さく見えるグリーンがゴルファーを恐怖に陥れる。

ロイヤルポートラッシュゴルフクラブ(北アイルランド)

1951年にスコットランドとイングランド以外で初めて全英オープンが開催されたコース。近年の北アイルランド勢の活躍(2011年ダレン・クラーク、2014年ロリー・マキロイ)を考慮し、2019年に2回目の開催が決定。68年ぶりに北アイルランドが舞台となる。1951年大会はマックス・フォークナー(イングランド)が通算3アンダー285ストロークで勝利したが、来年の開催に向けてコースは大改造を行っており、格段に難易度が上がると予想される。

その他の全英オープンにゆかりがあるコース

ミュアフィールド(スコットランド)

全英オープンを16回開催。直近の開催は2013年。フィル・ミケルソン(米国)がリー・ウェストウッド(イングランド)を最終日に逆転し、全英オープン初制覇を果たした。だが、このコースは女人禁制のポリシーを持ち、2016年にポリシー見直しのメンバー投票が行われたが、否決された。この結果を受けて全英オープン開催コースのローテーションから外れたが、2017年の再投票で女性メンバーの受け入れが決まり、ローテーション復帰が決まった。

プレストウィックゴルフクラブ(スコットランド)

全英オープン発祥の地。1860年の第1回大会から1872年の第12回大会まで12回連続で開催され、その後も1925年までに24回開催されたが、ギャラリースタンド設置の問題などでローテーションから外れ、今後も開催される可能性はほとんどないと見られている。スコットランド南西部の、ロイヤルトゥルーンゴルフクラブ・オールドコースと同じ海岸線の南側に位置している。

ターンベリー・アイルサコース(スコットランド)

過去に全英オープンを4回開催。直近の開催は2009年。当時59歳のトム・ワトソン(米国)が優勝にあと一歩のところまで迫ったが、プレーオフで力尽きてスチュワート・シンク(米国)に勝利を譲った。その後も2020年の開催が予定されていたが、2014年にコースを買収したドナルド・トランプが人種差別発言を繰り返したことが問題視され、全英オープン開催コースのローテーションから外れた。

全英オープンとは

4大メジャーの中で最も歴史が古い世界最古のトーナメント

全英オープンは4大メジャーの中で最も歴史が古く、世界最古のゴルフトーナメントである。マスターズが82回目、全米オープンが118回目、全米プロゴルフ選手権が100回目の開催であるのに対して、全英オープンは147回目と群を抜いて古い。

その歴史を象徴するのが、英語の正式名称である「The Open Championship」だ。第1回大会が開催された1860年に他のスポーツの選手権大会が存在しなかったことを如実に示している。

設立当初は優勝者にチャンピオンベルトが贈呈されており、3連覇を達成すると永久保持となるという決まりだった。そして、1868~1870年にトム・モリス・ジュニア(スコットランド)が3連覇を達成したため、1871年はチャンピオンベルトが間に合わず大会が中止になるという当時ならではのエピソードも残っている。

第1回大会から第33回大会まではスコットランドで開催されていたが、1894年にイングランドのロイヤルセントジョージスゴルフクラブで初開催された。その後、イングランドでも定期的に開催されるようになり、第2次世界大戦後の1951年には北アイルランドのロイヤルポートラッシュゴルフクラブで初開催された。2019年には2度目の北アイルランド開催が控えている。

1日の中に四季があると言われる自然との戦い

全英オープンは4大メジャーの中で、ひときわ異彩を放っている。米国で開催されるマスターズ、全米オープン、全米プロゴルフ選手権は、コースのタイプは異なるものの、いいショットには報酬が与えられ、悪いショットには罰が与えられるというコンセプトに基づいてコースセッティングがなされている。

一方、全英オープンが開催されるリンクスコースは、いいショットが必ずしも報われるとは限らない。フェアウェイに複雑な自然の起伏があり、会心のショットがイレギュラーバウンドによってラフやバンカーに入ってしまうこともある。そういうことが起こるのが人生であり、それはゴルフも同じであるというのが、この土地に生きてきた人たちの人生観なのだ。

天候も米国とは違い、「1日の中に四季がある」と表現される。晴れていれば半袖でプレーできるが、強風が吹き荒れるとセーターを着込んでも肌寒い。樹木が生えない土地にコースが広がっているため、風をさえぎるものは何もない。自然の猛威に立ち向かうのも全英オープンの特徴であり、強靱な精神力も試される。

その過酷さを象徴するのが、1921年の全英オープンで起こった出来事だ。のちにグランドスラムを達成するボビー・ジョーンズ(米国)は、当時19歳で全英オープン初出場。ところが、3日目に大きくスコアを崩し、11番ホールでスコアカードを破り捨てて棄権した。この振る舞いを大きく悔やんだジョーンズは、自らのゴルフに対する姿勢を見直し、1926年の全英オープン初優勝と、1930年のグランドスラム達成につなげた。

今年は10人の日本人選手が出場

今年の全英オープンには10人の日本人選手が出場する。世界ランキング上位から順番に紹介しよう。

松山英樹(6年連続6回目)

小平智(2年ぶり3回目)

宮里優作(3年連続4回目)

池田勇太(4年連続7回目)

時松隆光(初出場)

秋吉翔太(初出場)

谷原秀人(3年連続7回目)

市原弘大(2年ぶり3回目)

川村昌弘(初出場)

小林正則(4年ぶり2回目)

日本人最高成績は倉本昌弘の4位タイ(1982年)

全英オープンで最も活躍した日本人選手は誰だろうか。松山英樹が2013年に初出場で6位タイに入ったのが記憶に新しいが、それよりも上位でフィニッシュした選手が3人いる。

1人目は2018年大会にも出場する谷原秀人。2回目の出場となった2006年大会で、3日目に6アンダー66をマークして首位と3打差の通算10アンダー7位に浮上。最終日も1アンダー71とスコアを伸ばし、通算11アンダー5位タイでフィニッシュした。

同じく5位タイに入ったのが2002年大会の丸山茂樹。初日3アンダー4位タイと好発進を果たすと、2日目も3アンダーをマークして通算6アンダー首位タイで決勝ラウンドに進出。3日目は首位と3打差の通算2アンダー3位タイに順位を下げたが、最終日に一時トップに立つ快進撃。最終的にはトップと1打差の通算5アンダー5位タイだった。アーニー・エルス(南アフリカ)が通算6アンダーで並んだ4人によるプレーオフを制した。

この2人よりも上位に入ったのは、1982年の倉本昌弘。初日1アンダー7位タイと好発進を果たすと、2日目は通算イーブンパー13位タイに後退したが、3日目に通算1アンダー6位タイと再浮上。最終日も1アンダー71でプレーし、優勝したトム・ワトソン(米国)と2打差の通算2アンダー4位タイでフィニッシュした。

松山英樹が6度目の挑戦で悲願のメジャー制覇を目指す

日本から10人の精鋭が挑戦する今年の全英オープンだが、最も活躍が期待できるのは松山英樹だろう。今シーズンはまだ優勝に手が届いていないが、昨シーズンPGAツアーで3勝を挙げた実績は飛び抜けている。

全英オープンの過去5回の成績は、2013年6位タイ、2014年39位タイ、2015年18位タイ、2016年予選落ち、2017年14位タイ。カーヌスティでの全英オープンは初めてだが、バリー・バーンにボールを落とさない正確なショットが要求されるので、アイアンが得意な松山に向いているコースと言えそうだ。

直近のメジャーでの戦績は、2018年全米オープン16位タイ、2018年マスターズ19位、2017年全米プロゴルフ選手権5位タイ、2017年全英オープン14位タイ、2017年全米オープン2位タイ、2017年マスターズ11位タイ。6戦連続で20位以内に入っている。

PGAツアーですでに5勝を挙げ、メジャーで勝つための実績は十分に揃っている。今年こそ悲願達成に期待したい。

全英オープンの試合日程

  1日目 2018年7月19日 23:30-翌4:00 テレビ朝日 LIVE
  2日目 2018年7月20日 23:15-翌4:00 テレビ朝日 LIVE
  3日目 2018年7月21日 23:15-翌4:00 テレビ朝日 LIVE
  最終日 2018年7月22日 22:00-翌4:00 テレビ朝日 LIVE
  1日目 2018年7月19日 14:30-翌4:00 ゴルフネットワーク LIVE
  2日目 2018年7月20日 14:30-翌4:00 ゴルフネットワーク LIVE
  3日目 2018年7月21日 17:00-翌4:00 ゴルフネットワーク LIVE
  最終日 2018年7月22日 16:00-翌3:00 ゴルフネットワーク LIVE
 

今からでも間に合う! ツール・ド・フランス2018基本情報

【DAZN関連記事】
【必読】DAZN(ダゾーン)の"トリセツ" 最新・2018年版!
ネットでプロ野球中継を視聴する方法を紹介
DAZNでのプロ野球の放送予定や試合スケジュール
DAZNでF1放送を視聴する方法は?
【最新・2018年版】F1の放送予定・レース日程まとめ
ネットでMLB中継を視聴する方法を紹介
MLBの試合日程・放送予定|テレビでの視聴も可能?/2018シーズン

Tomohide Yasui