スロベニア、ドイツ、イタリア、チェコの東京オリンピック出場が決定、男子バスケ五輪最終予選決勝まとめ

大西玲央 Reo Onishi

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6月29日から7月4日まで、東京オリンピックに出場する最後の4か国を決める男子バスケットボールのFIBAオリンピック最終予選(FIBA Olympic Qualifying Tournament)がセルビア、リトアニア、クロアチア、カナダで開催された。大会5日目は各地で決勝4試合が行なわれ、それぞれイタリア(セルビア大会優勝)、スロベニア(リトアニア大会優勝)、ドイツ(クロアチア大会優勝)、チェコ(カナダ大会優勝)が東京オリンピック出場を決めた。

チェコは、イラン、フランス、アメリカのいるグループAに、ドイツイタリアは、オーストラリアとナイジェリアのいるグループBに、スロベニアは日本、アルゼンチン、スペインのいるグループCにそれぞれ参加することが決まった。

東京オリンピック最終予選の勝敗表はこちら


リトアニア大会

スロベニア 96-85 リトアニア

Luka Doncic

ハーフタイムを52-52の同点で迎えたスロベニアは、第3クォーターから第4クォーターにかけて連続14得点を獲得し、オリンピック初出場を決めた。スロベニアはダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチは31得点、11リバウンド、13アシストでトリプルダブルを達成、デンバー・ナゲッツのブラッコ・チャンチャーが18得点、ヤカ・ブラジッチが16得点をマーク。

敗れたリトアニアはメンフィス・グリズリーズのヨナス・バランチュナスが14得点、6リバウンド、インディアナ・ペイサーズのドマンタス・サボニスが9得点、6リバウンドを記録したものの、チームとしてフリースローが25本中15本と低調だったことが響いた。

大会MVPにはドンチッチ(スロベニア)が選出された。


クロアチア大会

ドイツ 75-64 ブラジル

Moritz Wagner

最終予選をここまで常に20点差以上で勝利してきたブラジルだったが、決勝戦ではオーランド・マジックのモリッツ・バグナーが28得点と獲得したドイツ相手に敗れた。ドイツは2008年以来となるオリンピック出場を決めた。バグナーはフィールドゴール12本中9本成功(3ポイント6本中3本成功、フリースロー11本中7本成功)、6リバウンド、3スティールの活躍で、チームの勝利に大きく貢献した。

ブラジルはクリーブランド・キャバリアーズのアンダーソン・バレジャオが14得点、アレックス・ガルシアが10得点を記録したものの、チームとして3ポイントショットが25本中7本しか決まらず、終盤はドイツのディフェンス相手に得点することに苦しんだ。

大会MVPにはバグナー(ドイツ)が選出された。


セルビア大会

イタリア 102-95 セルビア

Italian National Team

ゴールデンステイト・ウォリアーズのニコ・マニオンが24得点と活躍したイタリアが、2016年オリンピックの銀メダリストであるセルビアに勝利し、2004年以来となるオリンピック出場を決めた。イタリアは前半終盤、32-36から25-9のランで一気に逆転し、試合の主導権を奪った。マニオンはフリースロー9本を全て決めて24得点をあげたのに加え、4アシストも記録している。イタリアはほかにシモーネ・フォンテッキオが21得点、8リバウンド、ニューオーリンズ・ペリカンズのニコロ・メッリは5得点、4リバウンドを記録した。

敗れたセルビアはダニーロ・アンジュシッチが27得点、フィリップ・ペトゥルセフが22得点をマーク。ダラス・マーベリックスのボバン・マリヤノビッチは7得点、3リバウンド、マイアミ・ヒートのネマニャ・ビエリツァは5得点、4リバウンドに終わっている。

大会MVPにはフェネルバフチェ(トルコ)所属のアキーレ・ポロナーラ(イタリア)が選出された。


カナダ大会

チェコ 97-72 ギリシャ

Tomas Satoransky

第3クォーターを31-11と圧倒したチェコがそのまま勢いに乗り、同国初のオリンピック出場を決めた。チェコは横浜ビー・コルセアーズのパトリック・アウダがゲーム最多となる20得点、群馬クレインサンダーズのオンドレイ・バルヴィンが14得点、7リバウンド、シカゴ・ブルズのトーマス・サトランスキーが12得点をマークした。

敗れたギリシャはヨルゴス・パパヤニスが14得点、コンスタンティノス・ミトグルーとヤヌリス・ラレンツァキスがそれぞれ12得点を記録した。

大会MVPにはサトランスキー(チェコ)が選出された。

大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。