シモーネ・バイルスが東京オリンピックの体操競技女子団体決勝でチームから離脱したとき、その原因は「健康上の問題」だと思われた。だがそれはフィジカルの問題ではなかった。
米国チームが銀メダルで団体競技を終えた後、バイルスはケガはしていないことを明らかにした。代わりに、今年のオリンピックが「非常に精神的な重荷であり続けている」と語った。
スポーツ専門局『ESPN』のミシェル・スティール記者によると、「今回のオリンピックは非常に精神的にきついものです。長い一週間、長いオリンピック期間、そして長い1年です。私たちは精神的に疲れ果てていると思います。本当は楽しまなくてはいけない場所なのですが、残念ながらそうではありません」とバイルスは言った。
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24歳のバイルスは、朝の練習を終えた後、競技開始を待つまでの時間に体が震えだしたと言う。「こんなことは今までありませんでした」。
「競技が始まったとき、気持ちが切れてしまったように感じました」とバイルスは言った。そうして、バイルスはチームメイトに競技を代わってもらうことが賢明な判断だと考えた。「私は控えに回った方が良いと感じました。私の失敗のせいでチームがメダルを逃す危険を冒したくなかったのです。彼女たちは一生懸命にここまでやってきたのですから」とバイルスは言った。
そしてバイルスは自分がいなくてもチームメイトが素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれることを信じていた。「彼女たちが素晴らしい演技をすることは分かっていました。誰もが感情を高ぶらせていました。それでも彼女たちが私抜きでもやってのけたことを見て下さい。彼女たちはオリンピック銀メダリストなのです」とバイルスは言った。
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ジョーダン・チャイルズ、スニ・リー、そしてグレース・マッカラムら米国チームの他の3人は166.096点を獲得した。1位のロシア五輪委員会(ROC)には3.5 点及ばなかった。米国が体操競技女子団体の金メダルを逃すのは2008年以来初めてのことである。
体操競技はこれから個人競技に移る。米国チームには団体2位の雪辱を果たすチャンスがまだ残されている。個人総合タイトルの他に、ゆか、跳馬、段違い平行棒、平均台の4種目である。
バイルスはそのどの個人種目にも出場権がある。個人競技に出場するかの質問に、「今はまだ分かりません」と答えた。
(翻訳:角谷剛)