東京五輪閉会式ダイジェスト:選手労うパフォーマンスで「紅蓮華」の演奏も…東京から2024年パリ大会へ

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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2021年8月8日、Tokyo 2020 東京オリンピックは閉会式を迎えた。一部の競技は7月21日から始まり、公式日程としては開会式の同23日から8月8日までの17日間に渡って、205の国と地域から約11000選手が参加し、史上最多の33競技339種目が行われた。その東京五輪閉会式をダイジェストで紹介する。

閉会式冒頭では、秋篠宮文仁親王殿下、トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長、小池百合子東京都知事、菅義偉総理大臣ら大会関係者が来賓席に座すと、国立競技場のフィールドに、レスリング金メダリストの高藤直寿、競泳のW金メダリスト大橋悠依、体操団体銀メダルの北園丈琉ら6名が大きな日本国旗を運び込んだ。開会式同様に自衛隊員が掲揚すると、袴姿の宝塚歌劇団によってしめやかな国歌斉唱が行われた。

その後、各国・各地域の旗手が先に入場し、フィールド中央のステージを囲むように整列。日本は空手男子形金メダリストの喜友名諒が担当した。新型コロナウイルス対策によりすでに選手団が帰国している国はサポートスタッフが代役として旗手を務めた。その後、各選手団が入場。競技を終えたことでリラックスした表情を見せた。日本選手団は20:35頃に入場した。

五輪のシンボルが頭上に完成すると花火が上がり、東京スカパラダイスオーケストラの演奏に乗せて、選手たちの周囲で演者たちがパフォーマンスを演じた。とくに選手村から外に出られなかった海外選手たちに東京の日常生活のイメージを楽しんで貰う意図が込められたという。パフォーマンスでは、故・坂本九さんの実際の歌声を使った「上を向いて歩こう」、シンガーソングライター・miletさんの「愛の讃歌」などが続き、人気漫画・アニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」も演奏された。

マラソン男子のエリウド・キプチョゲら、女子のペレス・ジェプチルチル(いずれも)らの表彰式後、フェンシング銀メダリストの太田雄貴ら新たに選出されたIOC委員も紹介され、その3人からボランティア代表者たちに花束が送られた。

リオデジャネイロ五輪から採用された平和を祈願する演舞に続き、北海道アイヌ、沖縄、秋田の式祭映像のあと、国際競技場では老若男女のパフォーマーたちによって東京音頭2020バージョンが踊られた。

日本人ソプラニスタの岡本知高によるオリンピック賛歌の斉唱のなか、五輪章旗が小池百合子東京都知事から、トーマス・バッハIOC会長を経て、2024年大会開催地フランス・パリのアンヌ・イダルゴ市長に引き継がれた。パリ現地との中継ではエッフェル塔前の特設ステージで柔道のテディ・リネール選手らが登場し、ダイナミックな映像が紹介された。

橋本聖子組織委員会長が閉会宣言に先立ち、コロナ禍で従事する医療関係者、ボランティアらに感謝を述べ、困難を乗り越えたオリンピアンたちの健闘を称え、「この景色を忘れず、子どもたち、未来に語り継いでください」と話し、「万全の体制でパラリンピックを迎えたい」と述べた。

バッハ会長は日本国民、都民に向け「オリンピック大会の魔法を作り上げてくれた」と称える言葉を述べ、世界的なコロナ禍を受け、1年延期されてほとんどを無観客で開催を終えた東京大会の意義を語り、最後には「パリでお会いしましょう」と話し、スピーチを締めた。

国立競技場の上空に花火が彩られ、フィールドのスクリーンには「ARIGATO」の文字が表示され、余韻を残す形で閉会式が終了した。

Tokyo 2020 パラリンピックは、開会式が行われる8月24日から9月5日まで、22競技539種目で実施される。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。