東京五輪:柔道女子新井千鶴、体操男子個人総合は橋本大輝が金メダル!…バド桃田賢斗が1次リーグ敗退

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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7月28日の午後もメダル獲得のニュースが続いた。柔道女子70キロ級の新井千鶴が優勝、体操男子個人総合では"新エース"の橋本大輝が逆転勝利で金メダルを手にした。一方で、バドミントン男子シングルス世界1位の桃田賢斗が1次リーグ敗退という波乱も起きた。


死闘を切り抜けた新井千鶴が金メダル

リオデジャネイロ五輪の代表入りを逃し、初の五輪出場となった新井千鶴は、初戦のマリア・ペレス(プエルトリコ)を延長戦の末、大外刈りに沈め、準々決勝ではドイツのジョバンナ・スコッチマロを体落としと縦四方固の技あり合わせ1本で撃破した。

準決勝はマディナ・タイマゾワ(ロシア・オリンピック委員会)と対戦。延長戦へ入り、お互いに慎重に攻める中、最後は新井がタイマゾワを送り襟絞めで失神に追い込み、1本勝ち。この準決勝は16分41秒にも及び、ビデオ判定が3度も行われるなど、死闘といえる試合だった。

ミヒャエラ・ポレレス(オーストリア)との決勝では、小外刈で技ありを奪い、逃げ切りでの優勝。リオから5年をかけて様々な困難を乗り越えて手に入れたメダルに「積み上げてきたものが違う」と振り返った新井。ここで慢心することなく「自分の戦う試合はまだ残っています。団体に向けてやっていきたい」と気を引き締めた。


体操男子新エースは橋本大輝

体操男子個人総合では、橋本大輝が優勝した。だが、勝利への道のりは平坦ではなかった。

第1種目のゆか運動で1位スタートを飾り、2種目のあん馬でもトップだった。3種目のつり輪では技が認定されずに得点が伸びず、4種目の跳馬では跳躍は見事だったものの着地に体勢が崩れ、ラインから一歩出てしまったことで減点となり一時は4位まで後退。しかし、5種目の平行棒で総合3位まで持ち直すと、最後の種目鉄棒で高難度の技を次々に決め、伸身新月面宙返り下りでフィニッシュ。着地で僅かに動いたが、合計14.933点を計上。

総合88.465点で、2位の肖若騰(中国)を0.400点上回り、個人総合の金メダルを獲得。体操では日本男女合わせて通算100個目のメダルとなった。

種目別の鉄棒で内村航平が予選落ちし、体操日本代表陣に衝撃が走ったものの、前夜27日、19歳の橋本は団体で銀メダルを手にすると、この日は個人総合で頂点に立った。団体をともに戦った北園丈琉は、惜しくも5位だった。


バドミントンの金メダル候補・桃田賢斗がまさかの敗退

新たな男子体操のエースの誕生もあれば、バドミントンでは大きな敗退のニュースもあった。

世界ランキング1位で第1シードの桃田賢斗が、男子シングルス1次リーグ第2戦で同38位の許グァンヒ(韓国)にストレート負けを喫し、決勝トーナメント進出を逃した。

違法賭博問題でリオ五輪を逃してから世界王者に登り詰めるも、2020年1月にはマレーシアでの大会後、交通事故で右眼窩底を骨折。シャトルが2重に見える症状が出た。手術を終えて実戦復帰するまでも時間がかかった。

格下といえる相手だが、「途中から引いてしまった。自分でもどうしていいかわからずに1ゲーム目が終わってしまった」という。第2ゲームでもリードしていたものの、相手の勢いを止められずに競り負けている。最後には「苦しかったけど、やりきったかなと思います」と、何か糸が切れてしまったかのような言葉を残した。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。