8月3日、東京オリンピック第12日目、女子ボクシングのフェザー級で入江聖奈が日本女子初の金メダルを獲得。男子フライ級でも田中亮明が準決勝に勝ち進みメダルを確定させた。
入江聖奈が日本ボクシングで3人目、日本女子、さらに鳥取県初の金メダル
20歳の入江が歴史を変えた。小学2年からボクシングを始め、中学生時代には地元・鳥取県のTV局に取材されるなどすでに注目の存在だった。ボクシング日本代表入りは誰よりも早く、東京五輪ボクシング決勝入りも1番だった。7月24日から始まった予選から大差の5-0で勝ち、金獲りを片鱗を見せていた。
準々決勝ではルーマニアのマリアクラウディア・ネクタに3-2の判定で勝利し、メダル確定も最初に決めた。準決勝は2019年世界選手権3位のカリス・アーティングストール(英国)との接戦をこれまた3-2判定勝ちで競り勝った。決勝は2019年世界王者のネスティー・ペテシオ(フィリピン)。過去2戦1敗で、近々の試合では、代表入りを決めた20年3月の五輪予選で勝利しており、苦手意識はなかった。
X Japanの『紅』でにこやかに入場した入江は、第1ラウンドから細かく当てて5-0で入江優勢。第2ラウンドはペテシオが盛り返し、1-4のスコアだった。最終第3ラウンド、相手のペースに飲まれた第2ラウンドと打って変わって間合いを意識した入江は、にじり寄るペテシオのパンチをかわし有効打を叩き込んだ。終盤は乱戦となったが終わってみればジャッジは5人とも入江10、ペテシオ9のスコア。合計でも全員入江優勢のスコアとなり、文句なしの金メダルとなった。
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— NHKスポーツ (@nhk_sports) August 3, 2021
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日本人としては1964年東京五輪男子バンタム級の桜井孝雄、2012年ロンドン五輪男子ミドル級の村田諒太に続く3人目の金メダル獲得。準々決勝勝利後に「5ミリくらい歴史の扉が開いた。金メダルで全開です」と口にした入江だが、その言葉通り、歴史の扉を開く先駆者となった。鳥取県初の五輪金メダリストにもなった。同じ米子市出身で小中学校時代の幼馴染、女子板飛び込み準決勝敗退の三上紗也可から託された「金メダルを獲って」という想いにも応えた。
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— 日本オリンピック委員会(JOC) (@Japan_Olympic) August 3, 2021
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カエル好きというプロフィールから、所属するシュガーナックルジムの会長で、日本ボクシング連盟女子強化委員長でもある伊田武志氏に「トノサマガエル作戦」を命じられたと明かした際には、「趣旨はわからない」としながらも「強気で行けとのことだったと思います」と笑った。金メダル決定の瞬間の喜びのジャンプはまさしくトノサマガエル級だった。そんな天真爛漫な入江に敗れたペテシオも笑顔で抱擁し、勝利を称えた場面は、改めてスポーツマンシップを示す印象的なシーンだった。
表彰式後の会見では、2024年パリ五輪についての質問に「有終の美で終わりたい。大学いっぱいでボクシングは辞めるつもりです」と話し、あっさり引退表明。ゲーム会社への就職を目指すと話した。
明日4日14:15には、女子フライ級の並木月海が準決勝に挑む。3位決定戦がないため、銅メダル以上は確定。勝てば銀メダル以上が確定する。
男子フライ級・田中亮明は準決勝入りでメダル確定
同日に行われたボクシング男子フライ級の準々決勝では、田中亮明がユベルヘン・エルネイ・マルティネス・リバス(コロンビア)に4-1で勝利し、準決勝進出が決定。試合後には激しい打ち合いで酸欠になり、車椅子で運ばれたが、30分後に「酸欠で死ぬかと思った。正直勝ったか負けたかも分からなかった」と飄々と話した。
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— Tokyo 2020 (@Tokyo2020jp) August 3, 2021
ボクシングは3位決定戦が行われないため、#銅メダル 以上が確定です!🥊@rmabc1013#Tokyo2020 #オリンピック pic.twitter.com/mcRfZktoO1
弟で元世界3階級王者のプロボクサー田中恒成もTV観戦し、勝利を見届け、「まだ次がある」とエールを送った。準決勝は5日14:30ゴングを予定する。
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