内村航平は予選落ち…三宅宏実は3大会連続メダルならず引退へ:東京五輪

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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7月24日、東京オリンピック開会式翌日の大会2日目、体操の内村航平、重量挙げの三宅宏実というそれぞれの競技の第1人者がメダルに届かず敗退した。
 

まさかの落下…内村ショック広がる

2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪で男子体操個人、同じくリオでの団体金メダリストである内村航平は、2017年以降、大きな怪我が続き低迷。2020年に東京五輪出場に向けて、得意の鉄棒だけに専念し、この日に臨んだ。体操競技は東京・有明体操競技場で行われた。

男子鉄棒の予選に出場した内村は、H難度のブレットシュナイダーなどの離れ技を決めたあと、ひねり技で鉄棒から落下。まさかの予選落ちとなった。

内村は代表レースを争った米倉英信に対して、「土下座して謝りたい。自分としては代表が決まって強い気持ちでやってきたが、本当につもりだったのかな。本当に申し訳ない気持ちしか出てこない」とショックを隠さなかった。その米倉はTwitterに「土下座しなくて良いですからね」と内村を気遣った。

"キング"内村の予選落ちは、団体戦を戦う橋本大輝、谷川航、萱和磨、北園丈琉ら日本チームに衝撃を与えることになったが、内村自身も気持ちを切り替え、団体で暫定1位となった若いチームのサポートに回ると話した。


満身創痍の三宅宏実が引退へ

重量挙げ(ウエイトリフティング)の女子49級では、ロンドン五輪で銀、リオ五輪で銅メダリストで、母国開催の東京五輪で3大会連続メダルを狙う三宅宏実が登場。三宅も2015年から左膝と腰の故障が慢性的に続き、リオ五輪本番も手負いでの銅メダル獲得劇だった。

東京五輪が近づく中、全日本選手権なども故障により欠場することが多かった。5度目の五輪は、女子では柔道の谷亮子さん以来の史上2人目だったが、身体は満身創痍だった。

東京国際フォーラムで行われた重量挙げは、スナッチ、ジャーク(クリーン&ジャーク)をそれぞれ3回ずつ試技。それぞれのベストの重量の合計で争う。スナッチ、ジャークのどちらかで3回連続で失敗した場合は記録なしになる。三宅はスナッチで74キロを挙げ、ジャークに移ったが規定回数内でバーベルを挙げることができなかった。

叔父の義信氏は1964年東京五輪の金メダリストで、父・義行氏は1968年メキシコ五輪の銅メダリストという重量挙げ家系に生まれたが、競技を本格的に始めたのは女子種目が追加された2000年のシドニー五輪がキッカケだった。「出し切った」と話した三宅は、大会前から表明していた通り、21年間の競技生活を終える。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。