スノーボードで圧倒、失意のフィギュア… 平昌五輪における米国の戦い

Chelsea Howard

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アメリカにとって2018年平昌五輪(韓国)は、浮き沈みの激しいものとなった。

スノーボードでの圧倒的なパフォーマンスから、アイスホッケーでメダルラウンドに進めない悲痛な敗戦まで、今年のアメリカは盛り沢山だった。

アメリカはメダル獲得数でノルウェーの38個(金13、銀14、銅11)、ドイツの30個(金14、銀9、銅7)、カナダの29個(金11、銀8、銅10)に次ぐ4位に終わった。

2018年冬季五輪で印象的だった5つのストーリーラインを紹介しよう。

 

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1. 女子アイスホッケーが殻を破る一方、男子が苦戦

4大会連続で金メダルを獲得していたカナダに勝利し、アメリカの女子アイスホッケーチームが20年ぶりに金メダルを獲得。ソチ五輪ではカナダに劇的な敗戦を喫し銀メダルに終わっていただけに、雪辱を果たす形となった。

決勝戦は延長の末にゲームウィニングショットでの決着となり、第6ラウンドでジョセリン・ラモロー・デイビッドソンが決めたショットが決勝点となった。ラモロー・デイビッドソンは4年間練習していたという自らが『Oops, I did it again(あ、またやっちゃった)』と呼ぶ見事なショットを披露。今後歴史にその名を刻むこととなるだろう。

一方の男子チームは、プロ選手がほとんど参加することができず苦戦。2017年にNHLが冬季五輪のためにリーグを中断しないと発表していたことから、多くのプロ選手が欠場。大学選手やユーロリーグの選手が代わりに出場することとなった。

その結果、アメリカは他の五輪でなら楽々と勝てたであろう相手に苦戦が続いた。1998年以来、NHLは全ての冬季五輪に参加し、合計706選手が出場してきた過去がある。しかし今回の平昌五輪では準々決勝でチェコ相手にゲームウィニングショットで2-3で惜敗し、敗退となった。

アメリカの男子チームがメダルラウンドに進出できなかったのは2008年以来。1980年の「ミラクル・オン・アイス」以降、アメリカは10度のオリンピックで2回しかメダルを獲得できていない。

2. プレッシャーにやられたアルペンスキー

確かに五輪での競技はプレッシャーが高まるものであり、リンジー・ボンとミカエラ・シフリンにとってそのプレッシャーは悪い効果として出てしまった。

リンジー・ボンはひざの怪我で2014年ソチ五輪を欠場しているものの、8年前のバンクーバーでは女子滑降で金メダルを獲得している。期待は高く、今回の滑降でも金メダル候補のひとりだと言われていた。女子スーパー大回転では6位、そして滑降では3位に終わった。素晴らしい成績ではあるが、さらに高い順位を逃す理由となったミスがいくつか見られた。

そして平昌五輪が「おそらく」彼女にとって最後の五輪になるということや、11月に祖父が他界という要素もあった。韓国入りしてから彼女はとても感情的で、率直に話す姿はまたもアメリカ国民を魅了した。

ソチ五輪にて女子回転で金メダルを獲得していたシフリンは連覇を期待されていた。女子大回転では勝利したものの、一番の強みである回転では4位に終わった。悪天候の影響でシフリンが得意とする競技が連続での開催となってしまい、回転では惜しくも表彰台に立つことができなかったのだ。競技前には嘔吐しており、プレッシャーにやられてしまったと彼女は明かした。休養日を挟んでからの女子複合では、銀メダルを獲得した。

3. スノーボードで圧倒

アメリカはスノーボード競技のメダル23個中7個を獲得し、一国としては全ての競技において最多獲得メダル数となった。アメリカが今大会で獲得した9個の金メダルのうち、4つがスノーボードで獲得したものだ。

冬季五輪といえば、アルペンスキーやフィギュアスケートこそがアメリカの花形競技と思われがちだが、スノーボードも急上昇中だ。レッド・ジェラルドは平昌五輪最初の金メダルを獲得し、ディフェンディング・チャンピオンのジェイミー・アンダーソンが女子スロープスタイルで連覇。女子ハーフパイプではクロエ・キムが、そして男子ハーフパイプではショーン・ホワイトがそれぞれ金メダルを獲得した。

アンダーソンは、ソチ五輪からの連覇を達成した2人のアメリカ人選手のうちの1人となった。10日後の女子ビッグエアでは銀メダルを獲得し、女子スノーボード選手としては五輪史上初の複数メダル獲得となった。彼女にとって五輪でのメダル3枚目となり、ホワイトとケリー・クラークに通算獲得数で並んだ。

4. 失意のフィギュアスケート

アダム・リッポンのストーリーラインを除けば、アメリカのフィギュアスケートはほとんど大した話題がない。2個の銅メダル(アイスダンスと団体戦)に加えて、ネイサン・チェン、ヴィンセント・ジョウ、長洲未来が歴史的な技を披露したものの、全体的には物足りないものとなった。

もっとも残念だったのは、女子シングルでアメリカ人選手が3人ともショートかフリーで最低1度は転倒してしまったことだろう。ブレイディ・テンネル、長洲、カレン・チェンはそれぞれ9位、10位、11位とメダル獲得レースに参戦することができなかった。

2006年にサシャ・コーヘンが銀メダルを獲得して以来、個人としてメダルを獲得てきていない女子にとって、表彰台に上がれないことがもはやトレンドになり始めているのかもしれない。1964年を除いて、アメリカは1952年から2006年まで毎回表彰台に選手を送り込んでいた。ミシェル・クワン時代は、アメリカこそが倒すべき国だったのだが、すっかり下火になってしまった。

5. 10代選手の躍進

新しい世代の台頭はいつ見ても胸踊るものであり、平昌五輪でもアメリカの未来は明るいと感じることができた。

フィギュアスケート選手のネイサン・チェンとヴィンセント・ジョウは氷上でアメリカを先導していた。チェンは今シーズンすでに一回の演技で5度の4回転ジャンプを決めるという快挙おを達成しており、平昌五輪では五輪史上初となる6度を見せつけた。ジョウも、五輪でアメリカ人選手としては初めて4回転ルッツを決めた。

スノーボード選手のクロエ・キムとレッド・ジェラルドはまだ17歳ながらも、アメリカ代表にとってベストなパフォーマンスのうちの2つを披露した。キムとジェラルドは下馬評を覆す勝利を飾り、しばらくは五輪の舞台に立ち続けることを確信させてくれる活躍だった。

原文:Five takeaways from Winter Olympics 2018

翻訳:大西玲央

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