東京五輪・女子バスケ:日本代表がベルギー代表との激戦に勝利し史上初のベスト4進出

大西玲央 Reo Onishi

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8月4日、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)にて東京オリンピック女子バスケットボール競技の準々決勝、日本代表対ベルギー代表の一戦が行なわれ、試合残り15.6秒で逆転に成功した日本が86-85で激戦を制した。日本はこの勝利で、オリンピック初の準決勝進出を決めている。

日本の先発メンバーには髙田真希(#8/デンソー・アイリス)、町田瑠唯(#13/富士通レッドウェーブ)、林咲希(#27/ENEOSサンフラワーズ)、宮澤夕貴(#52/富士通レッドウェーブ)、赤穂ひまわり(#88/デンソー・アイリス)が名を連ねた。

第1クォーターを19-16とリードした日本は、第2クォーターも林や宮澤の3ポイントショットでリードを広げたものの、徐々にベルギーが調子を上げ始める。相手の執拗なディフェンスからターンオーバーが増え始めた日本は、41-42と逆転された状態でハーフタイムを迎えた。

後半、日本は最大13点のリードを許したものの、宮澤の3ポイントショットで少しずつ相手のリードを削っていく。

試合残り1分54秒で77-81と4点を追う展開になると、町田を止めに行った相手のファウルがアンスポーツマンライクファウルとなり、町田が2本のフリースローを成功。さらに赤穂がドライブからのレイアップを決めて一気に同点に追いついた。

再びリードされたのち、値千金の逆転3ポイントショットを決めたのは林咲希(#27/ENEOSサンフラワーズ)だった。試合残り37秒でジュリー・アレマンドがフリースローを2本決め、83-85とベルギーにリードされた日本は、残り15.6秒で町田からのパスを受けた林がフェイクで一度相手をかわし、見事に逆転3ポイントショットを決めた。

この日好調だったベルギーのキム・メスタフによる最後のショットはリングに弾かれ、日本の劇的勝利が決まった。

試合後に林は「練習通り打ちました」と逆転ショットについて振り返っている。

「あそこでドライブっていう選択は自分の中では全くなくて、自然の流れでああいうシュートになったっていう感じです。それまでシュートが落ちていたんですけども、コートに立っている以上は自分の仕事を果たすのが使命なので、プレッシャーは感じずに、もらったら打とうというのは変わらずできました」。

日本のトム・ホーバス・ヘッドコーチは「溢れんばかりに喜んでしまい(ベルギーに)申し訳なかったです。悪気はなかったです」と話した。

「(勝利後)20秒ほど本当に理性を失いました。あんな気持ちになったのは本当に久しぶりでした。山あり谷ありの試合でしたが、第4クォーター中盤にディフェンスの強度を上げることができ、それによって相手からいくつかターンオーバーを強いることができました」。

日本は宮澤が3ポイントショットを7本決めて21得点、髙田が19得点、赤穂が12得点、7リバウンド、町田が10得点、14アシストをマークした。

敗退となったベルギーはエマ・ミースマンが25得点、11リバウンド、6アシスト、キム・メスタフが24得点、7リバウンドを記録した。

日本は準決勝でスペイン対フランスの勝者と対戦する。

ボックススコア

大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。